研究課題
サルコペニアの摂食嚥下障害データベースとして467人を登録した。平均年齢は80.4歳で、サルコペニアの摂食嚥下障害の可能性が高い105人(23%)、サルコペニアの摂食嚥下障害の可能性あり182人(39%)、サルコペニアの摂食嚥下障害ではない179人(38%)であった。サルコペニアの摂食嚥下障害のリスク因子として、嗄声を検討した。サルコペニアの摂食嚥下障害患者の26%に嗄声を認め、嗄声を認める場合には摂食嚥下障害がより重度であった。しかし、嗄声は摂食嚥下機能の予後とは有意な関連を認めなかった。サルコペニアの摂食嚥下障害患者のCRPの中央値は8.0[3.0, 29.0]mg/Lであった。modified Glasgow Prognostic Score (mGPS)の中央値は1[1-2]であった。CRPとmGPSが高いほうが、ベースライン、フォローアップとも摂食嚥下機能が悪かった。炎症状態はサルコペニアの摂食嚥下障害のリスク因子であることが示唆された。回復期リハビリテーション病棟入院中の患者に限定して、GLIM基準の低栄養と摂食嚥下障害の重症度の関連を検討した。207人中、栄養状態良好は11人、中等度低栄養は72人、重度低栄養は124人であった。サルコペニアの摂食嚥下障害患者では、サルコペニア以外の摂食嚥下障害患者と比較して、重度低栄養の場合に摂食嚥下機能が改善しにくかった。重度低栄養はサルコペニアの摂食嚥下障害のリスク因子であることが示唆された。ワレンベルグ症候群の入院患者で嚥下関連筋の超音波エコー検査を経時的に実施した。入院期間中の体重、骨格筋指数、オトガイ舌骨筋の面積の増加割合は15%、21%、33%であった。栄養改善に伴い嚥下関連筋の筋肉量が増加して嚥下機能が改善する可能性が示唆された。
3: やや遅れている
一部の研究は論文掲載まで至ったが、現在も研究実施中や論文執筆中の研究テーマがいくつか残っている。国際学会での発表に関しては、COVID-19感染症の影響で行えていない。
現在も研究実施中や論文執筆中の研究テーマについて、この1年ですべて論文掲載まで進める。国際学会での発表を行う。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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