研究課題
サルコペニアの摂食嚥下障害データベースを使用して、サルコペニアの摂食嚥下障害は、その他が原因の摂食嚥下障害と比較して予後が悪いかどうかを調査した。対象はデータベースに登録された患者440人で、サルコペニアの摂食嚥下障害を268人(60.9%)に認めた。摂食状況レベル(FILS)が改善したのは、サルコペニアの摂食嚥下障害で47.4%、その他が原因の摂食嚥下障害で62.2%と統計学的有意差を認めた。多変量解析でもサルコペニアの摂食嚥下障害は、その他が原因の摂食嚥下障害と比較して、FILSとADLの改善が有意に悪かった。以上より、サルコペニアの摂食嚥下障害では機能予後が悪いことが多施設研究でも明らかになった。サルコペニアの摂食嚥下障害の原因の1つは低栄養であるため、リハビリテーション単独ではなく攻めの栄養療法による栄養改善と併用するリハビリテーション栄養を行うことで、摂食嚥下機能が改善しやすい。臨床現場でサルコペニアの摂食嚥下障害患者に対するリハビリテーション栄養の実践が、今後の課題である。同データベースを使用して、BMIでサルコペニアの摂食嚥下障害かどうかを判断できるかどうかを調査した。対象はデータベースに登録された患者460人で、年齢の中央値83歳、男性49.8%、BMIの中央値19.9であった。サルコペニアの摂食嚥下障害を284人(61.7%)に認めた。ROC曲線で感度、特異度を調べたところ、患者全体ではBMI20.1で感度58.1%、特異度60.2%、AUC0.60-0.62であった。以上より、BMI20をカットオフ値とすることで、サルコペニアの摂食嚥下障害の可能性がやや高くなることが明らかになった。ただし、感度、特異度とも0.6程度であるため、サルコペニアの摂食嚥下障害の診断には、サルコペニアの摂食嚥下障害診断フローチャートを使用すべきである。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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