研究課題/領域番号 |
19H03980
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
阿部 弘基 横浜市立大学, 医学部, 助教 (40737409)
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研究分担者 |
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30580724)
高田 薫子 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(臨床研究部), 臨床研究部, 研究員 (30834543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / パーキンソン病 |
研究実績の概要 |
2020年度前半は、2019年度にまとめた亜急性期脳梗塞患者6例のリハビリテーション過程におけるAMPA PETの画像解析結果を特定臨床研究の総括報告書にまとめる作業を行った。この総括報告書は2021年2月に横浜市立大学臨床研究審査委員会で審議・承認され正式に終了した。2020年度後半はパーキンソン病におけるAMPA受容体PETイメージングの研究計画の立案を開始した。パーキンソン病は病理学的には中脳黒質緻密部ドーパミン神経細胞の変性脱落が観察されるが、症候学的には振戦が前景となる症例もあれば、運動緩慢や筋強剛が前景となる症例も存在する。前景となる症状に応じて疾患進行程度も異なり、振戦が目立つ症例は歩行障害や姿勢反射障害の進行が緩徐であるが、初期から姿勢反射障害や歩行障害が目立つと進行が早い。ドーパミン神経細胞の変性脱落という一様な病理にも関わらず、前景となる症状は多様であり疾患の進行度合いも異なる。この多様性を特徴付ける生物学的指標は現在存在しない。モデル動物研究では、ドーパミン欠乏によって線条体有棘ニューロン(SPN)のグルタミン酸興奮性伝達のバランスが破綻することが知られている。薬理学的研究では、線条体有棘ニューロンのうち、D2受容体を発現するニューロンのAMPA受容体を拮抗すると運動症状が改善することが知られている。これらの先行研究調査を動機として、本研究課題ではあらためて、ドーパミン産生神経細胞の減少が線条体における興奮性グルタミン酸AMPA受容体の発現密度にどのような変化をもたらすのかを探索することを目的とした。本研究計画は特定臨床臨床研究として2021年3月に承認された(jRCTs031200448)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度内にパーキンソン病を対象としたAMPA PET研究が承認されたのは目標通りであったが、新型コロナ感染拡大の影響で被験者リクルートは難渋し開始が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度はパーキンソン病を対象としたAMPA受容体PET研究(jRCTs031200448)を中心に精力的にすすめる。本研究の被験者リクルートを新型コロナ感染拡大の影響を最小限に押さえながら推進するために、国立精神・神経医療研究センターおよび順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科と協調することとした。
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