研究課題
心血管疾患(cardiovascular disease: CVD)患者では、低栄養が、入院期間の長期化、再入院、死亡率と関連することが知られている。更に、高齢者でよくみられるサルコペニアの合併も死亡のリスクを増加させ、超高齢社会を迎えた現在では重要な健康問題となっている。CVD入院患者のサルコペニア、栄養障害、カヘキシア(悪液質)のマーカーとしての位相角(Phase angle: PhA)の臨床的有用性を検討した。サルコペニアは、男性31.6%、女性32.4%にみられた。PhAは、身体的機能及びSPPBスコアと正の相関を認めるとともに、CONUTスコア、Hb及びAlb値などの栄養指標と強く関連していることが判明した。さらに、CVD患者のサルコペニア、栄養障害、カヘキシアのマーカーとしてきわめて有用であると考えられた。心臓手術後早期の患者の筋力と筋サイズに対する血流制限を伴う低強度筋力トレーニング(RT)(加圧RT)の安全性と効果を検証した。加圧RTグループは、週2回、3か月間、血流制限を伴う低強度RTを実施した。加圧RT中にあきらかな副作用はみとめず、CPK、D-ダイマーも明らかな上昇はみられなかった。大腿前面筋厚、SMI、歩行速度、膝伸展筋力は、加圧RTで3か月後に有意に増加した。低強度加圧RTは、心臓血管手術早期患者の筋力ならびに筋サイズを安全に増加させることが示された。前年度のin vivo及びin vitroの検討では、温熱刺激は急性には細胞内Ca2+濃度上昇を、慢性には筋重量および筋サイズを増加させることを明らかにした。今回、I型糖尿病ラットでは、TRPV1タンパク質の発現と機能が低下し、熱ストレスによって誘発される細胞内Ca2+濃度上昇が抑制されていることが判明した。I型糖尿病ラットでは温熱療法による筋肥大効果が減弱している可能性がある。
3: やや遅れている
コロナの影響で、臨床研究に参加できるリハビリ患者が少なかったため。
本研究に協力してくれる患者をさらに増やしていく。入院中に、患者を積極的に共同研究者を含め、受け持ちの先生方に紹介してもらう。さらに、在宅でのリハビリも検討する。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件)
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