今後の研究の推進方策 |
本研究により、メンソール嗅覚刺激が様々な呼吸負荷時の呼吸困難感を改善することが明らかになった。したがって、運動療法中にメンソール匂い刺激によるアロマセラピーを併用することにより、リハビリテーションにおける運動療法の効果が大きく改善されることが期待できることがわかった。アロマテラピーは、一般的には、精油または精油の芳香や植物に由来する芳香を用いて、病気や外傷の治療、病気の予防、心身の健康やリラクゼーションなどを目的とする療法であり、精油を使った医療は、アラビアやヨーロッパで昔から行われている1990年代以降世界的に普及した伝統医学・民間療法のひとつである。現代では、自己管理の健康法としても用いられており、わたしたちはこれをリハビリテーション運動療法における呼吸困難に応用する研究が進行中である。 また、高齢者では,潜在的に咳嗽反射は低下しているが,さらに,中枢神経系の障害である脳血管障害,パーキンソン症候群,アルツハイマー型認知症のような病態では駭嗽反射が低下あるいは消失しているため摂食-嚥下障害,誤嚥性肺炎も引き起こしやすくなる。ただ同程度の認知機能の低下にもかかわらず、咳衝動と咳反射が正常高齢者と比べて低下しているのはレビー小体病のみであることにより、αシヌクレインをターゲットとする誤嚥性肺炎の創薬を探索する。
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