研究課題
呼吸リハビリテーションによって適切な運動療法を導入し、習慣づけることが健康寿命延伸のキーポイントである。その運動の習慣づけにおいて大きな阻害因子は労作時の呼吸困難である。患者はこれを大きな負荷と感じ、運動をやめてしまうのである。それを何とかすることが負荷のないリハビリテーションに繋がるが、広く労作時呼吸困難を緩和することは方法も効果も限定的であった。そこで疾患を選ばず通用する労作時呼吸困難緩和法を開発を試みた。メンソールのアロマ精油により嗅覚刺激をすると、吸気抵抗負荷時の呼吸困難感を軽減することを見出していた。これを労作時呼吸困難に応用し、エルゴメーターによる運動負荷時にも呼吸困難を軽減することを健常者において示した。さらに慢性呼吸器疾患患者における6分間歩行試験の時にサージカルマスクの裏側に目メンソールの芳香シールをはることで歩行時の呼吸困難が有意に改善されることが分かった。さらに呼吸困難が強いとされる間質性肺炎患者においてもメンソールの嗅覚刺激が呼吸困難を緩和した。さらにMDFを用いた呼吸困難の質を評価しながら、慢性呼吸器疾患の吸気負荷抵抗によって誘発された呼吸困難を調べてみるとCOPDと違って間質性肺炎においては情動の部分がメンソールによって緩和されないことがわかった。このことは呼吸困難の質の違いにより、リハビリテーション法が違ってくることも示唆している。さらに患者個々に合わせたテーラーメードの治療を含む、慢性呼吸器疾患患者の身体機能および心理状態の改善をデザインした運動療法、患者教育、行動変容のみならず、健康増進および長期間のアドヒアランスの促進するためにも呼吸困難の質の成因メカニズムを解明することが重要と考える。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 1件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Respiratory Physiology & Neurobiology
巻: 319 ページ: 104181~104181
10.1016/j.resp.2023.104181
Geriatrics and Gerontology International
巻: 24 ページ: 242~244
10.1111/ggi.14810
Frontiers in Bioengineering and Biotechnology
巻: 12 ページ: 1240339
10.3389/fbioe.2024.1240339
European Respiratory Journal
巻: 61 ページ: 2202453~2202453
10.1183/13993003.02453-2022
Journal of Clinical Medicine
巻: 12 ページ: 3272~3272
10.3390/jcm12093272
Complementary Therapies in Clinical Practice
巻: 52 ページ: 101770~101770
10.1016/j.ctcp.2023.101770
BMC Pulmonary Medicine
巻: 23 ページ: 225
10.1186/s12890-023-02526-0
巻: 12 ページ: 4917~4917
10.3390/jcm12154917
巻: 12 ページ: 5093~5093
10.3390/jcm12155093
Journal of Clinical Neuroscience
巻: 116 ページ: 87~92
10.1016/j.jocn.2023.08.002
巻: 12 ページ: 5587~5587
10.3390/jcm12175587
巻: 24 ページ: 67~73
10.1111/ggi.14705
巻: 23 ページ: 971~972
10.1111/ggi.14707
BRAIN and NERVE
巻: 75 ページ: 1349~1353
10.11477/mf.1416202539
巻: 12 ページ: 7662~7662
10.3390/jcm12247662