研究課題/領域番号 |
19H03986
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤本 浩志 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60209103)
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研究分担者 |
土井 幸輝 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 情報・支援部, 主任研究員 (10409667)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚障害者 / 触読 / 触図 / 凹刺激 / 表示法 |
研究実績の概要 |
点字図書や点字教科書の中の図等を点図に置き換えて示す際に,凸状に盛り上がった凸点や凸線だけでは凸刺激が混在して触読し難いことから,点字図書や点字教科書の点図の中で方眼紙の升目には凹線や空間領域を示す凹点パターンが多用されている.しかし,校正者が点図を校正する際には経験則に依存してしまっている.それ故,校正者からは校正の際に参考となる定量的な指針が求められている.そこで本研究では,視覚障害者にとって触読し易い点図の凹刺激(点字図書や点字教科書の点図の中で方眼紙の升目には凹線や空間領域を示す凹点パターン)の表示法を解明することを目的とする.この目的達成のために,本研究では当該領域のニーズが高く,学術的知見が不足している凹刺激と触読性に着目し,研究に取り組んでいる.初年度は,方眼紙の升目の凹線の製作法を検討し,触読性の評価の予備実験に必要な提示刺激(テストピース)を作製し,テストピースを用いて予備実験を行い,凹線間隔と触読性に関する実験結果を分析した.2年目は、初年度の予備実験の結果を踏まえ、x軸あるいはy軸にそれぞれ並行な凹線の間隔と触読性に関する本実験を行った.3年目は,2年目の結果も踏まえながら凸線と凹線の間の距離が触読性に及ぼす影響を評価した.その実験の結果を踏まえると,凸線と凹線を識別するためには,適切な触読動作(触速度や触力)があるのではないかという仮説もたてることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年目は,2年目の結果も踏まえながら凸線と凹線の間の距離が触読性に及ぼす影響を評価した.その実験の結果を踏まえると,凸線と凹線を識別するためには,適切な触読動作(触速度や触力)があるのではないかという仮説もたてることができた.それ故,当初の計画通りに順調に進めることができている.
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今後の研究の推進方策 |
3年目は,2年目の結果も踏まえながら凸線と凹線の間の距離が触読性に及ぼす影響を評価することができた.その実験の結果を踏まえると,凸線と凹線を識別するためには,適切な触読動作(触速度や触力)があるのではないかという仮説もたてることができた.本年度(令和4年度)は,凹線や凹パターンの適切な触読動作(触速度や触力)を明らかにする予定である.
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