研究課題/領域番号 |
19H03992
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
中村 仁洋 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 主任研究官 (40359633)
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研究分担者 |
高野 弘二 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究員 (00510588)
幕内 充 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究室長 (70334232)
伊藤 和之 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 自立支援局(研究所併任), 主任教官 (10501091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 周辺視 / ニューロフィードバック / crowding |
研究実績の概要 |
ヒトの視覚機能には、視野中心部の対象を高速かつ正確に分析する「中心視」と、その外側のより広い範囲の視野情報の処理を担当する「周辺視」がある。周辺視には、大脳皮質レベルにおける機能的制約が存在するため、中心視のように精密な視覚分析は難しいが、運動や状況認知などの日常生活の多くの局面に関わるだけでなく、視覚障害や読み書き障害との関連も指摘されていることから、その機能を増幅させるための訓練プログラムが考案されてきた。本研究計画では、周辺視と脳機能との関係に着目し、経頭蓋脳刺激法とニューロフィードバックを組み合わせて、周辺視の機能増幅のための安全で新しい介入手法の開発を目標として、令和元年度から実験計画に着手した。 当初の計画で予定したニューロフィードバック実験では、視線運動計測下で健常成人を対象とした脳機能画像(MRI・脳磁図)実験を行い、初期視覚皮質など、周辺視機能に関わる大脳皮質神経活動をリアルタイム分析し、その状態を被験者にフィードバックすることで神経活動を調節した場合の行動指標の変化を検証することを主なマイルストーンとした。しかし、年度末からのCOVID-19感染拡大の影響が長く続いたため、脳機能計測実験の実施が大幅に制限され、実験環境の構築を円滑に進めることが難しい状況が続いた。このため、脳機能画像実験の本格的なデータ収集は翌年度に実施することとし、令和2年度は、引き続き脳画像実験に用いる行動課題の検証のため、データ収集・分析を進めるとともに、経頭蓋脳磁気刺激実験のデータ収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、健常成人を対象として脳機能画像(MRI・脳磁図)を用いたニューロフィードバック実験を進める予定であったが、年度末からのCOVID-19感染拡大の影響で、被験者のセンター敷地内への入構や脳機能計測機器の使用が大幅に制限され、実験環境の構築を円滑に進めることが難しい状況が続いた。このため、脳機能画像実験の本格的なデータ収集は翌年度に引き続き行うこととし、行動実験のデータ分析を進めるとともに、磁気刺激実験のデータ収集・分析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、上記の行動実験のデータ分析、および磁気刺激実験のデータ収集・分析を引き続き行いながら、視線計測と脳機能画像を用いたニューロフィードバック実験のデータ収集・分析を実施する。COVID-19感染拡大の影響により研究の進捗に若干の遅れが生じているが、一般にニューロフィードバック実験の概念検証には10名以下の比較的少数の被験者で十分と考えられるため、年度末までに研究に必要なデータを収集することは可能と考えられる。
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