研究課題
高齢化の進むわが国で漸増している中高齢の慢性腎臓病患者において、動脈硬化の予防・改善策を確立することは、心血管疾患の発症予防の観点から極めて重要な課題である。そこで本研究では、「定期的な運動の実践により、骨吸収亢進と腎機能低下が抑制され、その結果、動脈硬化進行因子である血中カルシプロテイン粒子レベルが減少し、動脈硬化が改善する」という研究仮説の検証を行ってきた。今年度は、新型コロナウイルスの感染対策をしながら初年度に開始した分析的観察研究を継続して実施した。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大が継続していたため、中高齢慢性腎臓病患者を募集することは出来なかったが、地域情報誌への広告掲載によって募集した中高齢者を対象に2か月間身体活動介入を実施するランダム化比較試験を実施した。対象者78名をランダムに介入群と対照群に分類した。介入群の対象者には、週に1度運動教室に参加してもらい、身体活動量を毎週フィードバックして対象者自身に自己管理下で運動してもらうようにする教育介入を実施した。対照群には介入期間中に生活習慣を変えないように指示した。その結果、介入群の身体活動量は対照群と比較して有意に増加していた(平均1日約30分程度)。しかし、介入群と対照群で介入前後での心血管機能や血中カルシプロテイン粒子レベルの変化に有意な交互作用は認められなかった。本研究の対象者は、中高齢慢性腎臓病患者と比較して心血管機能や血中カルシプロテイン粒子レベルが良好であったことから、介入効果が認められなかった可能性がある。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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