研究課題/領域番号 |
19H03997
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
海老原 修 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (50185138)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 障害者スポーツ / リバース・インテグレーション / インクルーシブ・スタンダード |
研究実績の概要 |
平成31/令和元年度には横浜市立小学校へ障害者スポーツ体験出前授業を展開した。そのためには、横浜市教育委員会、小中学校校長会、小学校体育研究会、中学校体育連盟の関係者へのヒアリングと協力を検討し、横浜市教育委員会の後援の下、本研究プロジェクト独自のポスターを作成し、横浜市立小中高等学校・特別支援学校に「障害者スポーツ体験出前授業」に案内状を送付した。プログラム内容は、ブランド・ウォーキング、ブラインド・ジョギング、ゴールボール、車いすバスケットボールを主体に、アイマスクを装着した視覚障害者を体験したり、車いすを操作したりする体験となる。プログラム実施校は、横浜市立元街、北山田、下野庭、菊名、東山田、宮谷、葛野、一本松の各小学校、横浜商業高等学校であった。これによって、一方で障害者スポーツを確実に体験した児童・ 生徒となる実験群を横浜市内小学校に、他方ではインフォーマルに体験する可能性は否定できないが、障害者スポーツを体験しない対照群を、 東京都、埼玉県、横浜市の小中学校に、それぞれ設定した。同時に、平成29年度作成・障害者・障害者スポーツ認知・意欲・行動調査票を両群 に配布・回収し、その動向を継続的に追跡できる計画を調えた。調査票の配布回収状況は、実験群となる①横浜市内小学校444/1835件=39.78%、対照群では②インターネット調査1889/3836件=49.24%、②埼玉県K町小学校5校・中学校2校2435/2511=96.97%、③横浜市内私立中高453/489件=92.64%、④東京都内私立小中1266/1302件=97.24%であった。次年度における追跡調査対象者は実験群444名、対照群6043名となるが、対照群②③④の児童・生徒を対象に障害者スポーツ体験出前授業を開講する予定となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成31/令和元年度には横浜市立小学校へ障害者スポーツ体験出前授業を展開した。これによって、一方で障害者スポーツを確実に体験した児童・ 生徒となる実験群を横浜市内小学校に、他方ではインフォーマルに体験する可能性は否定できないが、障害者スポーツを体験しない対照群を、 東京都、埼玉県、横浜市の小中学校に、それぞれ設定した。実験群では、横浜市教育委員会の後援を得て障害者スポーツ体験出前授業を開講したが、継続調査にむけた個人情報の獲得にあたって保護者の判断に委ねるつつ、協力を仰ぐべく依頼状と障害者スポーツ体験ポスターを調査票に添えた。また、対照群では、個人情報保護を十全に尊重しながら、調査協力校独自の記号や個人名記入といった方式でIDの確認作業をすすめたり、保護者の了解の下で未成年者へのネット調査を実施したり、追跡調査における制度設計に力点を置いた。
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今後の研究の推進方策 |
平成31/令和元年度には横浜市立小学校へ障害者スポーツ出前授業を展開した。これによって、一方で障害者スポーツを確実に体験した児童・ 生徒となる実験群を横浜市内小学校に、他方ではインフォーマルに体験する可能性は否定できないが、障害者スポーツを体験しない対照群を、 東京都、埼玉県、横浜市の小中学校に、それぞれ設定した。同時に、平成29年度作成・障害者・障害者スポーツ認知・意欲・行動調査票を両群 に配布・回収し、その動向を継続的に追跡できる計画を調えた。令和2年度は(1)インクルーシブ教育にかかわる小中高教員、障害者スポーツ関 係者、社会福祉関係者へのヒアリングに基づく知見を加えたインクルーシブ・スタンダード(第1次案)を開発し、(2)横浜市教育委員会なら びに神奈川県教育委員会の協力を得て、小学校350校、中学校150校、高等学校180校(いずれも概数)の教員(無作為抽出約750人)にアンケー ト調査を実施、評価・分析を経て第2次案を作成する。並行して、(3)前年度の実験群には引き続き出前授業を継続するとともに、対照群にお いても出間授業を部分的に開講し、両群への追跡調査を実施するとともに、(4)前記(1)(2)の進行に応じて、追跡調査における調査票(改 定増補版)の作成と調査実施を計画する。
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