研究課題
本年度は実験計画①: CalcR・Yap1二重欠損マウスの解析を行い,筋幹細胞特異的なYap1欠損により,CalcR欠損で観察された,筋幹細胞の静止期異常を改善できることが明らかとなった.又,実際に筋幹細胞では,Yap1の局在を制御するLats1/2がPKAと会合していることもProximity ligation Assayにより明らかにした.これまでの結果と合わせることで,筋幹細胞の静止期維持におけるCalcRの下流は,PKA-LatsによるYap1の局在制御を介した転写活性抑制であることが明らかとなった.又,験計画②: より過負荷が筋にかかる自発運動がCalcR欠損MuSCに与える影響を検討した結果,通常は回転かごに夜自発運動で,ほとんど負荷がかからないEDLにおいて,CalcR欠損マウスにおいてのみ,筋幹細胞の増殖が観察できた.つまり,運動依存的な因子の存在により,筋幹細胞は増殖する状態にあることが推測された.実験計画③-1: 過負荷刺激でCalcRシグナルが低下する時期・機構の解析においても,筋負荷後,4日目に顕著なCalcRの発現低下が観察された.実験計画④: 過負荷な運動のセンサーとしてYap1が機能しているかどうか?については,マウスの準備を進めた
2: おおむね順調に進展している
計画どおりに本年度は進行している.
本年度中に,実験計画②: より過負荷が筋にかかる自発運動がCalcR欠損MuSCに与える影響の解析を終了し,自発運動下におけるCalcRの重要性を結論受ける.さららに,CalcR-Yap1二重欠損やCalcR欠損筋幹細胞にPKAを発現させた場合に,筋幹細胞の増殖を抑制できるかについても検討を行う.実験計画③-1: 過負荷刺激でCalcRシグナルが低下する時期・機構の解析について,負荷後,1,2,3日目のサンプルを解析し,経時的な解析を完了させる.実験計画③-2: CalcRシグナル増強と、過負荷刺激によるMuSCの活性化に関しては,筋幹細胞特異的なPKA発現マウスやCalcRリガンド投与マウスに筋負荷を誘導し,負荷依存的な筋幹細胞の活性化・増殖が抑制できるかについて検討を行う.実験計画④: 過負荷な運動のセンサーとしてYap1が機能しているかどうかに関しても,筋幹細胞特的なYap1欠損マウスに自発運動や筋負荷を誘導する実験を行い,Yap1の役割を明らかにする.
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