スポーツ外傷・障害に対する新規低侵襲治療として注目されている多血小板血漿(PRP)療法であるが治療効果を左右する因子は不明な点が多かった。当研究では幾つかの予後規定因子を同定した。 517名の患者でPRP中の血小板数が治療効果に影響を及ぼすかどうかを検討したが、影響していなかった。しかし、血小板の中でも幼若で活性が高い血小板(幼若血小板)の比率が高いほどPRP療法の効果が高く、血小板の数ではなく質が効果を規定することを示した。また、関節炎へのPRP療法は関節液中の炎症物質(TNF-α)や軟骨分解酵素(MMP3)を低下させ、関節軟骨破壊産物である尿中NTX-2も低下させることを示した。
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