研究課題/領域番号 |
19H04007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
矢内 利政 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (50387619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肘外反ストレス / 野球 / 投手 / 投球動作 / バイオフィードバック |
研究成果の概要 |
全投手が肘関節ストレスを低下させ得たものの、球速を維持しつつ肘関節ストレスを大幅に低下(>10 Nm)させ得た投手は29%であった。肘関節ストレス軽減と球速維持を両立し得た投球フォームの特徴は、(a)コッキング期の肩甲骨後方傾斜角が大きく、(b) 順次到達する肩甲骨、上腕、前腕の最大角速度が全て小さく、(c)最大肘屈曲トルクと最大肩水平内転トルクが小さいことであった。この結果は、投球時肘ストレスを軽減させ得る投球フォームは存在するものの、それを大幅に低下させつつ球速を維持する投球フォーム(上肢部位の回転速度を減少させつつ手部速度を維持する運動連鎖)の学習は容易ではないことを示すものである。
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自由記述の分野 |
スポーツ科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肘関節ストレスという自己認識できない生体情報をリアルタイムでフィードバックすることによる運動学習効果を運動連鎖の協調的変化として提示できたことに学術的意義がある。さらに、球速を維持しつつ肘関節ストレスを大幅に低下させ得る投球メカニクスの特徴を、外傷障害の有無や個人差を排除した被験者内変動として抽出できたことは、投球メカニクスと肘関節ストレスを直接関連付け、運動力学的な因果関係を導き出すことを可能にする点で大きな意義がある。一方、球速維持と肘関節ストレス低下を両立させ得た投手が全体の約3割にとどまったことは、これらを両立させる投球フォームを学習する方法をさらに発展させる必要性を示すものとなった。
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