研究課題/領域番号 |
19H04008
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
村岡 功 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 名誉教授 (80112712)
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研究分担者 |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
澤田 亨 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00642290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スポーツ科学 / メカニズム / 疫学 / 横断研究 / 健康寿命 / 座位行動 / コホート研究 / 因果推論 |
研究実績の概要 |
健康寿命延伸の鍵を解明するために、インピーダンス法(BIA)とDXA法を用いて測定した四肢筋量の合計(ASM)を身長の2乗で除したskeletal muscle mass index(ASMI)とFFMIの関係を調べるとともに、サルコペニアをスクリーニングするための指標として、BIAで測定したFFMIのASMI代用性について評価した。1,313名(40~87歳)を対象に、BIAで測定したFFMIは、BIAとDXAで測定したASMIと強い正の相関があった。BIA測定によるFFMI値を用いて、DXA測定によるASMIで定義されたサルコペニアをスクリーニングするためのROC曲線下面積は、男性で0.95、女性で0.91であった。DXA測定ASMIで定義されたサルコペニアをスクリーニングするための最適なBIA測定FFMIカットオフ値は、男性で17.5kg/m2、女性で14.6kg/m2であった。 近年コーヒーの健康効果が報告されている。そこで本研究はコーヒー摂取量とサルコペニアの関係を調査した。研究方法は、 2,085人(40~87歳)を対象に、自記式質問紙でコーヒー摂取頻度を、インピーダンス法で筋量を測定した。サルコペニアの判定は前述した研究と同様に、アジア作業部会の基準を用いた。研究参加者のサルコペニア保有率は 5.4 % であった。サルコペニア保有のオッズ比と95%信頼区間をロジスティック回帰モデルを使用して推定した。コーヒー摂取量が最も少ないグループ(1杯未満/週)と比較して、1~3 杯/週のオッズ比 0.62(0.30~1.29)、4~6杯/週あるいは1日1杯以上は0.53(0.29~0.96)、1日2杯以上は0.28(0.15~0.53)であった。これらのことから、コーヒー摂取はサルコペニア保有と負の相関関係にあることが観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大のために2022年度についても測定を実施することができなかった。一方で、Dコースにおいてすでに調査済みのデータを使用した横断研究については2021年度と同様に順調に健康アウトカムと健康寿命の延伸を阻害する既知のリスク因子の関係や未知のリスク因子の関係を評価できており、引き続いて論文として発表している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の状況を考慮しながら測定を再開するとともに、身体活動量および座位行動のデータ整備を至急進め、さまざまなリスク因子の影響度(ハザード比の点推定値)を比較し、影響度の強いリスク因子を明らかにするとともに、リスク因子と年代や性別の積項を解析モデルに投入し、交互作用解析を網羅的に実施していく。 Dコースのデータを使用した横断研究については、2023年度についても解析結果を論文として公表していくとともに、さらに多くのリスク因子を探索していく。
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