研究課題/領域番号 |
19H04013
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
川中 健太郎 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (80339960)
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研究分担者 |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
安方 惇 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (20759253)
海老根 直之 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (30404370)
田中 茂穂 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 部長 (50251426)
羅 成圭 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (60741999)
上原 吉就 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70373149)
畑本 陽一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 研究員 (90738832)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 除脂肪量 / 体脂肪量 / タンパク質 / エネルギー / 増量 / 骨格筋 |
研究実績の概要 |
2019年度は、①「推奨量を超えるタンパク質摂取」は除脂肪量を増加させるか、また、②「推奨量以上のタンパク質摂取に加えて、余剰なエネルギーを付加すること」は除脂肪量増加に有効か検討した。そのために、健常成人男性21名を以下の2条件に割り振って、6週間にわたり介入を行った(平行群間比較試験)。介入開始から2週間毎に水中体重法・DXA法・重水希釈法を組み合わせて、体脂肪量、体水分量、固型除脂肪量(除脂肪量から体水分量と骨ミネラル量を差し引いた量)を評価した。 条件① エネルギー必要量を満たした食事に加え、エネルギー必要量×0.1(kcal)のタンパク質 条件② エネルギー必要量を満たした食事に加え、エネルギー必要量×0.1(kcal)のタンパク質、ならびに、エネルギー必要量×0.3(kcal)の糖質 推奨量(約0.9g/kg体重/日)以上のタンパク質(約2.1g/kg体重/日)を付加するだけでも、6週間で固型除脂肪量(体タンパク質量の指標)は増加傾向にあったが、体脂肪量は増加しなかった。一方、タンパク質とともにエネルギー(エネルギー必要量の1.4倍)を付加すると、早期に(4週間で)固型除脂肪量は有意に増加した。また、体脂肪量の増加も著しかった。 推奨量を超えるタンパク質を摂取するだけでも筋量が増加する可能性が示唆された。また、タンパク質摂取とともに、必要量以上のエネルギーを付加することも除脂肪量増加には有効と考えられる。但し、長期間実施する必要性は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた動物実験を進めることができなかった。しかし、ヒト介入実験をトラブルなく1年目に実施することができた。さらに、「タンパク質とともにエネルギーを付加すること」によって固型除脂肪量(体タンパク質量の指標)の増加に有効との重要な知見を得ることができた。そのために、おおむね順調に進展しているとの評価を下している。
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今後の研究の推進方策 |
「タンパク質とともにエネルギーを付加すること」は骨格筋のリボソーム生合成を高めることによって筋量増加に有効であるとの仮説を立てている。2020年度はこの仮説の検証に取り組む。ヒトを対象に「1週間のタンパク質とエネルギーの付加」を実施して、骨格筋のリボソームとタンパク質合成速度への影響を検討する。さらに、動物の摘出筋を用いた機構解明実験も予定している。
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