研究課題/領域番号 |
19H04013
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
川中 健太郎 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (80339960)
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研究分担者 |
畑本 陽一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 研究員 (90738832)
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
上原 吉就 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70373149)
重森 裕 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (30465273)
木戸 康平 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (50822730)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エネルギー付加 / 糖質付加 / ラット / 骨格筋 / ロイシン / グルコース / 筋タンパク質合成速度 / p70S6キナーゼ |
研究実績の概要 |
2020年度は、実験動物を用いてエネルギー付加(グルコース付加)が筋タンパク質合成を促進する可能性について検討した。 4週齢のWistar系雄性ラットから摘出したepitrochlearis筋をコントロール緩衝液 (KHB中に5mM グルコースを含む)、ロイシン緩衝液(5mM グルコースと2mM ロイシンを含む)、あるいはグルコース緩衝液(40mM グルコースを含む)中にてインキュベーションした。10分間のインキュベーション後、SUnSET法によるタンパク質合成速度測定のために1μMピューロマイシンをKHB中に添加して、さらに30分間インキュベーションした。摘出筋中のタンパク質を抽出したのち、筋中に含まれるピューロマイシンの量を測定することでタンパク質合成速度を評価した。また、mTORC1活性化の指標であるp70S6Kリン酸化レベルの測定を行った。ロイシン緩衝液によって筋タンパク質合成速度は1.6倍高い傾向がみられた。また、グルコース緩衝液によって筋タンパク質合成速度は1.4倍高い傾向がみられた。つまり、グルコースはロイシンほどではないが筋タンパク質合成速度を上昇させる可能性がある。しかし、mTORC1活性化の指標となるp70S6Kはロイシン群で上昇する傾向がみられたが、グルコース群では上昇しなかった。したがって、ロイシンとグルコースが異なる機序で筋タンパク質合成を促進する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、若年健常男性を対象として、「6週間に亘ってタンパク質とともにエネルギーを付加する食事処方」が体タンパク質量(筋量のより直接的な指標)の増加を促進する可能性について検討する予定であった。しかし、コロナ感染拡大防止のための所属機関の方針に従ってヒト介入実験の実施が延期となった。動物実験に関しても予定していた実験を全て実施することはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は「タンパク質とともにエネルギーを付加すること」は体タンパク質量(筋量のより直接的な指標)の増加を促進するとの仮説の検証に取り組む。ヒトを対象に「6週間のタンパク質とエネルギーの付加」を実施して、水中体重法・DXA法・重水希釈法を組み合わせた4成分法で体タンパク質量への影響を検討する。さらに、動物の摘出筋を用いた機構解明実験も予定している。
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