研究課題
基盤研究(B)
本研究ではタンパク質切断酵素であるカルパイン3に着目し、骨格筋への運動ストレス負荷によりカルパイン3が活性化する理由を探求した。骨格筋細胞では骨格筋特異的に発現するカルパイン3、組織普遍的に発現するカルパイン1およびカルパイン2が発現するため、カルパイン間での相互関係を検討した結果、カルパイン1, 2および3において、タンパク質切断酵素-基質の関係があることを明らかにした。骨格筋細胞内でカルパイン3が活性化することで、カルパイン1および2の活性化を誘起していると考えられる。
骨格筋細胞生物学
カルパインは組織普遍的あるいは組織特異的に発現するタイプがあり、ヒトでは15種類存在する。骨格筋細胞でカルパイン1, 2,および3が発現することが知られていたが、3種類のカルパインが同一細胞内に存在する意義は不明であった。本研究では、骨格筋細胞内に共存するカルパイン1、2、3間には切断酵素と基質の関係があることを示し、骨格筋細胞内に異なる種類のカルパインが発現する意義を説明することが可能となった。