研究課題/領域番号 |
19H04016
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
松尾 知明 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 産業疫学研究グループ, 主任研究員 (30582697)
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研究分担者 |
蘇 リナ 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 過労死等防止調査研究センター, 任期付研究員 (60771871)
田中 喜代次 筑波大学, 体育系, 名誉教授 (50163514)
甲斐 裕子 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (20450752)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心肺持久力 / 座位時間 / 労働衛生 / 健康経営 |
研究実績の概要 |
本研究では以下の2つの課題に取り組むこととしている。 課題①:労働者の心肺持久力(cardiorespiratory fitness: CRF)と座位行動(sedentary behavior: SB)それぞれが、あるいはそれらが相互的に、健康リスク(疾患発症や医療費高騰)に及ぼす影響の程度を数値化する。 課題②:労働者のCRF改善を目的とした介入策とSB減少を目的とした介入策をそれぞれ定め、その効果や職場での適合性を検証する。
課題①は、国内の企業等に勤務する労働者を対象とした職域疫学調査研究(前向きコホート研究)である。本年度は、協力企業A社、その健保組合、当研究所の3者間で、データ活用に関する共同研究契約が締結され、その内容に基づき、倫理委員会に申請し、承認された。CRFとSBの評価には、申請者らが先行研究で開発した質問票を使用している。具体的な作業としては、A社従業員が社内イントラネットを用いて質問項目に応えるためのシステムを構築する作業や、システムから得たデータを健診・レセプトデータと突合する作業などがあった。本年度取得したデータを初年度データとして現在分析中である。 課題②は、企業等の事業場で行う介入研究である。本年度は、企業2社(A社、B社)の協力を得て、その従業員を対象とした実験を、各企業の事業場で行った。実験では、CRFやSBへの介入効果を検証する測定だけでなく、参加者への事後個別聞き取り調査や企業担当者の作業負担を検証するための調査も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題①、②ともに、協力企業との調整がスムースに進み、調査・測定も順調に行えた。
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今後の研究の推進方策 |
課題①:令和2年度は協力企業A社での2回(年)目の調査を行う予定である。調査内容は初年度と同様である。対象者数増加に向け、協力企業を1~2社増やせるよう、調整を進めている。
課題②:令和2年度も協力企業A社、B社との共同研究を継続する予定である。企業労働者がそれぞれの職場で運動を行える環境を整え、実践した初年度の実験では、費用対効果面や企業担当者の負担面での課題がいくつか明らかとなった。2年目は、その課題解決に向けた介入策を検討する。
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