本研究は,エキスパートのモデルとして演奏家(健常ピアニストおよび局所性ジストニアを罹患したピアニスト)を対象に,熟練技能促進を最適化するテイラーメイド訓練法の開発に不可欠である訓練効果の予測因子を同定するための実験研究を行った.特に手指による巧緻動作の生成を対象技能とし,体性感覚や聴覚の感覚情報処理と運動生成を統合する機序の可塑性に着目し,ロボット工学や神経生理評価,機械学習を組み合わせた研究を行った.局所性ジストニアによる体性感覚運動統合の機能異常や,熟達に伴う当該機能に関わる脳神経系および筋骨格系の変化を明らかにし,複数の国際学術誌に論文として発表した.
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