研究課題
本研究は,摂食行動(食事量・食事内容)を調節あるいは媒介する健康づくり運動条件を解明し,青壮年期からの肥満および関連疾患の予防に資する摂食行動を喚起する身体運動促進支援法の開発を目指す基盤的研究である.本年度は,前年度に引き続き,日常生活下で中強度以上の身体活動を促進することが,摂食行動およびエネルギー消費量,身体活動パタンや諸体力へ及ぼす影響を検討する中期介入研究(課題Ⅱ)を実施し,完了できた.若年成人女性16名を介入群と対照群に無作為に割付し,介入研究としての最終解析対象者は介入群7名,対照群8名となった.ベースラインデータを用いた解析の結果,現代の健常若年成人女性の身体活動レベルは,約20年前の同年代の身体活動レベルと同等であること,低強度活動時間,歩数の高値および座位行動の低値が身体活動レベルの高値と関連する可能性を示唆する結果を得た.また,活動量計を用いて中強度(乳酸閾値)以上の身体活動を日常生活下で積算する身体活動促進法により,中強度以上ならびに3メッツ以上の活動に交互作用が認められ,両者ともに介入群で増加するという介入効果が認められた.また,介入群の総エネルギー消費量および身体活動レベルの平均値は増加した.一方,食物摂取頻度調査法による解析の結果,介入群の総エネルギー摂取量に影響は認められなかったものの,たんぱく質および脂質摂取量がやや減少する可能性があり,今後さらに厳密な解析の必要性が考えられた.さらに,全身持久力に有意な交互作用が認められ,介入群で向上することが認められた.本介入法は,青壮年期からの肥満および関連疾患の予防に寄与する身体活動促進支援法の開発に応用できる可能性が考えられた.成果の一部は学術学会大会にて公表し,一部の発表は表彰を受けた(第41回日本臨床運動療法学会学術集会CEPA優秀演題賞).現在,国際誌への投稿へ向けて論文を準備中である.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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