研究課題
口腔環境の重要性が健康長寿に関わる可能性が強く示唆されており、全身疾患発症性の口腔細菌の保菌は健康寿命を短くする要因と考えられている。そこで「口腔内フローラ(細菌叢)を指標とした全身疾患発症リスク予測システム」の作製とその実用性を確認することが本研究の目的である。これまでの研究から健康な人の口腔フローラはいくつかの類似性が認められること、重度全身疾患発症者の口腔フローラは健常者と比べてそのパターンが異なることを見出した。そこから「重度全身疾患あるいは健康長寿をもたらす口腔フローラの確定」を行った。疾患に関与することが報告されているいくつかの病原性細菌に加えて新たに各種の全身疾患への関与が予想されるいくつかの細菌が特定された。これらの細菌が特定の全身疾患発症に関与しているかどうかの検証は、今後の検討課題である。さらにこれら一連の研究成果をもとに各種データの重みづけを組みあわせた「AIによる口腔フローラからの健康状態の定量的解析・評価システム」の作製を行った。このシステムは口腔細菌フローラのパターンをもとにAIによる解析を行うことにより病態発症を予測するシステムのプロトタイプである。実際にこのシステムを用いて口腔細菌フローラの解析パターンにより将来的な疾患発症のリスクの予測を行ったところ、疾患発症を80%以上の確立で予測することが可能となった。現在、本申請の研究期間が終了したが、我々の目指すより完成度の高いシステム構築のため、今後も更なる改良を進めて予測確率を高めていく予定である。さらに我々が想定している予測確率90%以上が達成できるシステムが完成した場合、特許申請を行うとともに実際の臨床現場での実証実験も予定している。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
島根大学医学部薬理学講座ホームページhttps://www.med.shimane-u.ac.jp/pharmacology/
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