近年、個体の老化により老化関連疾患が惹起される重要な要因として、視床下部における炎症性変化などの細胞老化随伴分泌現象(SASP)が提唱されている。しかし、抗老化遺伝子であるαKlothoとSASPとの関連性は不明である。野生型マウスの視床下部において認められた絶食時の炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-1β)の発現低下が、αKlothoヘテロ欠損マウスでは抑制されていた。また、他のSASP因子として、CXCL1やCXCL2の発現が野生型マウスと比較してαKlothoヘテロ欠損マウスで増加していた。これらの結果より、αKlothoは、視床下部においてSASPを抑制する可能性が示唆された。
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