• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

アルコール脱水素酵素の臓器障害発症への関与

研究課題

研究課題/領域番号 19H04038
研究機関日本大学

研究代表者

奥田 貴久  日本大学, 医学部, 教授 (20620305)

研究分担者 成尾 宗浩  日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (00772310)
五十嵐 勉  日本医科大学, 医学部, 准教授 (10421190)
根岸 靖幸  日本医科大学, 医学部, 准教授 (50644580)
高成 広起  徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任講師 (70723253)
勝山 碧  日本医科大学, 医学部, 助教 (90803700)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードアルコール脱水素酵素 / 脂肪肝 / 骨粗鬆症 / 突然死
研究実績の概要

本研究は、Class3アルコール脱水素酵素がアルコール関連障害の発症に如何に関わっているかを明らかにし、新既治療の足掛かりとすることを目的とする基礎研究である。アルコール性骨粗鬆症、アルコールと眼疾患、アルコールと突然死、アルコール性肝障害に加えて、アルコールと腎障害について、日本大学、日本医科大学、徳島大学、鹿児島大学で研究を行っている。2020年度はコロナ禍の中、2度の緊急事態宣言等により実験が大幅に制限され、研究分担者は所属機関で対応に迫られた。さらには、研究代表者(奥田貴久)が日本医科大学から日本大学医学部に所属変更し、新たな研究環境の構築を行ってきた。そのような環境に適応しながら、本研究は着実に遂行されているといえる。骨粗鬆症研究では、骨免疫学的アプローチを行い、得られた知見について論文投稿が行われた。眼疾患については、病理学的検討を行ったがアルコールによる特異的な影響は認めなかった。突然死については、ADH1KOマウスの繁殖が順調に行われ、アルコール負荷後の断酒による突然死の現象が確認できた。アルコール性脂肪肝については、研究代表者の所属変更によって、実験環境の整備に時間と資金を費やした。動物実験計画書の作成と承認はコロナ禍の影響で2020年9月頃となった。遺伝子組換え実験計画についても承認を得た。機関変更に伴い、ADH3KOマウスを新たに作成する必要があり、(株)トランスジェニックに業務委託し、ゲノム編集によるAdh5(ADH3)遺伝子ノックアウトマウス作製を行うに至った。すなわち、2019年度研究資金で作成されたガイドRNA設計と活性確認とssOligoの合成の後に、2020年度の研究資金を用いて、Adh5KOヘテロマウスを作成した。アルコール性腎障害については電子顕微鏡による形態評価を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度はコロナ禍の中、進捗が全体的に滞っているといえる。さらには、研究代表者(奥田貴久)の所属機関変更に伴い、新たな研究環境の構築を行ってきた。動物実験計画書の承認・遺伝子組換え実験計画書承認を行うことができた。日本大学においてAdh5(ADH3)ノックアウトマウスを作成することとなり、ゲノム編集によってヘテロマウスまで作成されたが、動物実験再開までにはもうしばらく時間を有する。

今後の研究の推進方策

骨粗鬆症研究については論文投稿を進めており、飲酒におけるIL-4産生低下に至る自然免疫系の役割について論文投稿を行う。眼疾患については現時点で飲酒の影響は少ない判断された。突然死については、アルコール負荷から断酒をした際に交感神経系の興奮が病態に関与していると考えられるが、テストステロンを介したKチャネルの働きについて調べる。肝障害についてはAdh5KOマウス作成後、すみやかに実験にとりかかりたい。腎障害については論文作成を行っている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Roles of Two Major Alcohol Dehydrogenases, ADH1 (Class I) and ADH3 (Class III), in the Adaptive Enhancement of Alcohol Metabolism Induced by Chronic Alcohol Consumption in Mice.2020

    • 著者名/発表者名
      akeshi Haseba , Takahisa Okuda , Motoyo Maruyama , Toshio Akimoto , Gregg Duester , Youkichi Ohno
    • 雑誌名

      Alcohol and alcoholism (Oxford, Oxfordshire)

      巻: 55(1) ページ: 11-19

    • DOI

      10.1093/alcalc/agz091

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Serum brain-derived neurotrophic factor in glaucoma patients in Japan: An observational study.2020

    • 著者名/発表者名
      Tsutomu Igarashi , Kenji Nakamoto , Maika Kobayashi , Hisaharu Suzuki , Yutaro Tobita , Toru Igarashi , Takahisa Okuda , Takashi Okada , Hiroshi Takahashi
    • 雑誌名

      Journal of Nippon Medical School

      巻: 87(6) ページ: 339-345

    • DOI

      10.1272/jnms.JNMS.2020_87-605

    • 査読あり
  • [学会発表] アルコール摂取がマウスの腎臓に及ぼす形態変化と生化学的変動.2020

    • 著者名/発表者名
      勝山 碧, 長谷場健, 丸山基世, 秋元敏雄, 奥田貴久.
    • 学会等名
      第104次日本法医学会学術全国集会.
  • [学会発表] 多臓器を対象としたアルコール医学研究2020

    • 著者名/発表者名
      奥田貴久
    • 学会等名
      日本大学医学会
    • 招待講演
  • [学会発表] アルコールがマウス腎に及ぼす影響.2020

    • 著者名/発表者名
      勝山 碧, 長谷場健, 奥田貴久.
    • 学会等名
      第39回アルコール医学生物学研究会学術集会.
  • [学会発表] アルコール過量摂取に伴う続発性骨粗鬆症における自然免疫細胞の役割.2020

    • 著者名/発表者名
      成尾宗浩, 根岸靖幸, 奥田貴久, 岡崎 賢, 森田林平
    • 学会等名
      第93回日本整形外科学会学術総会
  • [備考] 日本大学医学部社会医学系法医学分野ホームページ

    • URL

      https://www.med.nihon-u.ac.jp/department/medicolegal/

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi