研究課題
サルコペニア(加齢や不活動・低栄養・疾患などによる筋萎縮・筋機能低下)とそれに伴う肥満(サルコペニア肥満)は超高齢社会の我が国で直面している問題である。本研究では、独自に作製した遺伝子改変マウス等のオミクス解析、転写調節因子の活性を指標とした食品成分のスクリーニング、筋初代培養など細胞を用いたin vitroの分子生物学的解析を組み合わせ、サルコペニアとサルコペニア肥満の発症と予防・改善の分子基盤解明を目指している。本研究課題の遂行により、超高齢社会の健康寿命延伸の手がかりとなり、また骨格筋を主体とした生理・病態生理現象の解明により健康科学分野進展への波及効果が期待される。具体的には、①.独自に作製した遺伝子改変マウス等のオミクス解析、②.転写調節因子の活性を指標とした食品成分のスクリーニング、③.筋初代培養など細胞を用いたin vitroの分子生物学的解析、の①~③を組み合わせ、サルコペニアとサルコペニア肥満の発症と予防・改善の分子基盤解明に取り組んでいる。本研究ではFOXO1、PGC1β、Dnmt3aという遺伝子発現調節因子に着目して実験を進めている。(FOXO1:筋萎縮を引き起こす。PGC1β:エネルギー消費を活性化し肥満を改善する。Dnmt3a:DNAメチル化酵素、骨格筋萎縮で発現減少する。)本年度の研究実績として、網羅的遺伝子解析によりFOXO1 およびビタミンDの新規標的遺伝子を同定し、筋萎縮の分子機序を明確にした。PGC1βを活性化しうる大豆イソフラボンが脂質利用遺伝子を活性化することを観察した。さらに骨格筋でのDnmt3aの発現増加(遺伝子改変)により赤筋化とエネルギー消費の増加が生じることが判明した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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