研究課題
以下の研究実績は得られた。(1)ハイドロフラクチャー誘発地震活動の特性を調査し、さまざまなタイプの誘発地震活動を区別するために、非定常バックグラウンド地震活動率を使用した時空間ETASモデルを開発した。 新モデルは背景の地震活動を群発地震から分離し、岩塩採掘やシェールガス掘削などの人間の活動によって引き起こされる応力の変化を明らかにしている。(2)ETASモデルを基準モデルとして使用して、地震活動の静穏化を識別および視覚化するためのポアソン確率マップ(PMAP)法を開発した。この手法で、2006年11月15日に発生したMw8.3千島列島地震シーケンスの前に先行する地震静穏化を識別した。(3) ETASモデルを使用し、クラスター内の最大マグニチュード分布の漸近形から、前震現象とバースの法則の両方を説明した。理論的な結果は、実際の地震活動データに近いものであった。(4) 本研究代表者が開発したETASモデルに基づくデクラスタリングを、ネットワーク分析からのツリーグラフ表現とツールを活用することにより、地震学で他の人気がある最近傍距離デクラスタリング手法と比較した。 2つのデクラスタリングアルゴリズムは同様の地震クラスターパーティションを生成するが、それらは個々のクラスタの内部構造が異なる可能性があり、最近傍法は通常確率的デクラスタリング法よりも単純な構造を提供することがわかった。(5) 更新Hawkes点過程のバックグラウンドイベントを検出するための理論的なフィルタリング式が導出し、バックグラウンド事件と全体事件の条件付き強度を提供する。また、MCMC手法に基づくフィルタリングアルゴリズムも開発した。(6) 全球または高緯度地域の地震活動を分析するためにの球面バージョンの時空間ETASモデルを開発した。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究進展は予想より少し遅くなった。 たとえば、更新Hawkes点過程に関する論文は未投稿である。代わりに、方向解析の結果を利用して、イータスモデルの球形バージョンを開発した。これは2020年度の研究計画外の結果である。得られた実績から、基本的には順調に進んでいると言える。
新年度は、以下の点で研究を拡大していく予定:(1)更新ホークプロセスと球形ETASモデルと発震機構を組み込んだETASモデルの三つ論文の投稿する。(2) Hawkes点過程およびより一般的な点過程の推定のための改良されたEMアルゴリズムを実現する。(3)地震発生のためのETASモデルの拡張を継続し、関連する地球物理学的問題を解決する。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件) 図書 (1件)
The European Physical Journal Special Topics
巻: 230 ページ: 409~424
10.1140/epjst/e2020-000272-7
Seismological Research Letters
巻: 92 ページ: 877~885
10.1785/0220200179
Journal of Computational and Graphical Statistics
巻: 29 ページ: 859~874
10.1080/10618600.2020.1743295
巻: 91 ページ: 2170~2181
10.1785/0220200092
Entropy
巻: 22 ページ: 859~859
10.3390/e22080859
Journal of Geophysical Research: Solid Earth
巻: 125 ページ: e2020JB019718
10.1029/2020JB019718
Pure and Applied Geophysics
巻: 177 ページ: 3619~3630
10.1007/s00024-020-02498-w