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2019 年度 実績報告書

機械学習による集積回路設計データ中のハードウェアトロイ検知

研究課題

研究課題/領域番号 19H04080
研究機関早稲田大学

研究代表者

戸川 望  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30298161)

研究分担者 木村 晋二  早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (20183303)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードハードウェアトロイ / 機械学習 / レジスタトランスファレベル / ゲートレベル
研究実績の概要

現在,集積回路設計・製造は低コスト化のため積極的に外注が利用され,外部の悪意ある設計・製造者により悪意ある回路を故意に侵入する「ハードウェアトロイ」が現実的な脅威として指摘されている.レジスタトランスファレベルやゲートレベルの集積回路設計データに挿入されたハードウェアトロイは,軽微な設計データ改変で重大な事象を引き起こす可能性がある.ハードウェアトロイはその対策技術が開発されると,それを回避するハードウェアトロイが開発される「いたちごっこ」が続いているのが現状である.本研究では,レジスタトランスファレベルやゲートレベルの集積回路設計データ中のハードウェアトロイの各種特徴量を学習することにより,既知・未知のハードウェアトロイを検知する技術を確立する.ハードウェアトロイの危険性がないセキュア集積回路チップの実現に寄与する.

ハードウェアトロイの学習では「ハードウェアトロイ回路の特徴量として何を学習するか」が最大のポイントとなる.研究代表者らは既存のベンチマークデータベースからハードウェアトロイ回路に含まれる膨大な信号線を実際に精査し,これらをデータベースとして蓄積している(『ハードウェアトロイビッグデータ』).2019年度には,まず研究代表者らが持つ,これら『ハードウェアトロイビッグデータ』のもと,ハードウェアトロイを構成するレジスタトランスファレベルの記述や信号線について,特徴的な「単独特徴量」を明らかにした.つまりレジスタトランスファレベル記述や信号線に単独の特徴量を見出し,いくつかの識別器に用い,特徴量の最適設計,識別器の最適設計を行った.レジスタトランスファレベルやゲートレベルの集積回路設計データ中で,第一段階として比較的精度良くハードウェアトロイの識別に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画で予定した研究について,予定通り研究が進んでおり,おおむね順調に進展していると考えている.

今後の研究の推進方策

前述の通り,ハードウェアトロイの学習では「ハードウェアトロイの特徴量として何を学習するか」が最大のポイントとなる.研究代表者らは既存のベンチマークデータベースからハードウェアトロイ回路に含まれる膨大な信号線を実際に精査し,これらをデータベースとして蓄積しており,2019年度には,まず研究代表者らが持つ,これら『ハードウェアトロイビッグデータ』のもと,レジスタトランスファレベル記述や信号線に単独の特徴量を明らかにした.2020年度には,ハードウェアトロイ回路が設計データに一様に分布せず特定の場所に局所的に集中することを利用し,ハードウェア記述中の関連がある複数箇所や,複数の信号線にまたがる特徴量を明らかにする.その結果,さらに精度良くハードウェアトロイを識別することを目指す.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Scalable Stochastic Number Duplicators for Accuracy-flexible Arithmetic Circuit Design2020

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa Ryota、Tawada Masashi、Yanagisawa Masao、Togawa Nozomu
    • 雑誌名

      IPSJ Transactions on System LSI Design Methodology

      巻: 13 ページ: 10~20

    • DOI

      10.2197/ipsjtsldm.13.10

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ストカスティック数を用いた非対称通信路の誤り訂正2020

    • 著者名/発表者名
      石川遼太, 多和田雅師, 柳澤政生, 戸川望
    • 学会等名
      2020年電子情報通信学会総合大会
  • [学会発表] Error correction system using stochastic numbers in symmetric channels and Z channels2019

    • 著者名/発表者名
      Ryota Ishikawa, Masashi Tawada, Masao Yanagisawa, and Nozomu Togawa
    • 学会等名
      2019 26th IEEE International Conference on Electronics, Circuits and Systems (ICECS)
    • 国際学会
  • [学会発表] ストカスティック計算におけるステップ関数の実装と評価2019

    • 著者名/発表者名
      石川遼太, 多和田雅師, 柳澤政生, 戸川望
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術報告
  • [学会発表] ストカスティック数を用いた再帰的分割による解像度解釈可変な画像形式2019

    • 著者名/発表者名
      石川遼太, 多和田雅師, 柳澤政生, 戸川望
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術報告
  • [学会発表] Error correction coding of stochastic numbers using BER measurement2019

    • 著者名/発表者名
      Ryota Ishikawa, Masashi Tawada, Masao Yanagisawa, and Nozomu Togawa
    • 学会等名
      2019 IEEE 25th International Symposium on On-Line Testing and Robust System Design (IOLTS)
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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