楽器の精密な振動・音響物理モデル化と高精度数値解析手法を導入することで,楽器のデザインに真に資することができる精度を有する数値解析基盤を開発した。対象とした楽器は,ティンパニ,ヴァイオリン,シンバルをはじめとして12種類にわたる。物理モデル化においては,振動-音響フル連成や高次の非線形物理現象を,なるべく簡略化や近似を行うことなく含めた。その支配方程式の解を得るためには,差分法や有限・境界要素法といった一般的な数値解析手法に比べて,小さい計算負荷で格段に高精度な数値解が得られるスペクトル法を導入した。開発した数値解析基盤を用い,既存の楽器のより最適な形態の探索,および新規形態の提案を行った。
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