研究課題/領域番号 |
19H04147
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高松 誠一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20635320)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 電子テキスタイル / 実装構造 / 伸縮性センサ / 振動刺激 / 導電性ポリマー / ビアホール |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、視覚、聴覚だけではできない「手を取って動きを教える」機能をVR技能トレーニングに組み込み、その効果を検証することである。具体的には、手や腕など身体の動きをMEMS加速度センサで検知し、触覚アクチュエータ(振動モーター)でフィードバックをかけることができる3次元集積スマートウェアを試作し、実現する。本年度は,加速度センサなどMEMSセンサによる人のモニタリングと振動モータによるフィードバックシステムの開発を行った.課題は,布のような柔らかさを持ち30%程度の伸縮性を持つ構造を持つことと,センサなど硬い材料と柔らかい布の境界での配線の破断である.この問題を解決するために,布の上にセンサと振動モータ等を配線実装構造について開発を行った.銀ペーストやその他の導電性材料を印刷したウレタンフィルムを熱接着フィルムで布に接着した配線を開発した.さらに,センサやモータ等をビアホールを組み込んだ熱接着フィルムを用いて接続する実装構造を開発した.この技術を用いて,MEMSセンサやLED実装布帛をメートル級で対面席で配線したデバイスを開発した.また,導電性ポリマーを印刷したニット布帛により指の変形を検知するセンサを開発した.このセンサは,37.5%の伸縮に耐える特徴を持つ.さらに,振動モータを組み込んだデバイスを開発し,人への振動刺激実験を行った.このように,布上にセンサやモータを組み込むデバイス実装技術を確立した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
VRとスマートウェアを連動させたトレーニングシステムの開発においてキーデバイスである,センサや振動モータを組み込んだ実装構造について確立できており順調に進展している.特に,柔らかい布と硬いセンサや振動モータの境界部で,破壊することが課題であった.本研究では,ビアホールを有する柔らかい熱接着フィルムによる実装構造を提案,実現することで信頼性の高いウェアを開発することができた.この成果により,トレーニング用システム開発を完成させるめどが立った.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に確立したセンサや振動モータの布上への配線実装構造を用いて,VRと連動したトレーニング用スマートウェアの開発を行う.具体的には,センサと振動モータを組み込んだウェアを開発する.さらに,スマートウェアとVRを連動させるシステムを開発する.スマートウェアにBluetooth通信が可能なマイコンを組み込み,PCとの通信システムを開発する.PC上でVR用ソフトウェアであるUNITYで3次元映像を制作し,スマートウェアからのセンサ信号に応じて3次元映像を動かす.さらに,トレーニングを模して,Unityから振動モータを駆動させる.このシステムを用いて,技能トレーニングシステムを構成し,被験者実験により効果を検証する.
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