| 研究課題/領域番号 |
19H04151
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| 研究機関 | 東京農工大学 |
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研究代表者 |
藤田 欣也 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30209051)
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| 研究分担者 |
下田 宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (60293924)
横山 ひとみ 岡山理科大学, 経営学部, 准教授 (50638517)
辻 愛里 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10774284)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | ヒューマンインタフェース / 知的生産性 / 集中度 / 認知負荷 / 操作潜時 |
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| 研究実績の概要 |
PC作業者の集中度，すなわち主たる作業への認知資源の配分の推定に向けて，令和2年度は，コロナ禍の影響により令和3年8月まで延期して，かな漢字変換結果確認時間への集中度の影響を実験的に分析した．実験では，実際のオフィス業務に近く，かつ文章を考案する必要がない課題として，かな表記された童話の漢字変換書き写し課題を実験参加者に課して，スペースキー打鍵から改行または他のキーの打鍵までの時間を分析した．実験条件は，集中してタスクに取り組ませる集中条件，主課題と同時にニュース音声を聴取して地名出現回数を計数する副課題を課すことで認知資源を分配させる阻害条件（二重課題条件），ならびに15分の運動後に糖質の多い昼食を摂取させて副交感神経活動やインスリン分泌による眠気を誘発して課題を行わせる意欲低下条件の3条件とした．
実験参加者6名で実験を実施した結果，主観的な集中度は，全実験参加者において集中条件よりも阻害条件および意欲低下条件で低かった．入力文字数および入力精度も大半の被験者で同様であり，集中度が統制できていたことが確認された．このとき，かな漢字変換結果確認時間は，いずれの条件においても100～1000ms の範囲に広く分布していたが，集中条件に比較して阻害条件および意欲低下条件で増加する傾向が観察された．ただし，コロナ禍によって参加者を増やしての実験実施が困難となったため，統計的に有意なレベルでの傾向を得るには至らなかった．また，一部の実験参加者では他の参加者とかな漢字変換結果確認時間の分布が異なっており，打鍵とは異なる指標にもとづく分析の必要性が示唆された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和元年度には，高時間分解能で打鍵などの操作情報を記録するシステムを開発し，記憶想起型の定型タスク実験を実施して，阻害条件や意欲低下条件では集中条件よりも打鍵時間が延長する傾向や，文節境界での打鍵の短期一時停止が阻害条件において生じる可能性を確認した．2年度は，令和3年8月まで延期して実験を実施し，上記のようにかな漢字変換結果確認時間に集中度が影響する可能性を確認した．
以上のように，コロナ禍により実験実施が約半年遅延しており，統計的に十分な参加者数での実験には至らなかったため，遅れていると判断した．
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| 今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って，引き続きかな表記童話の漢字変換書き写し課題を用いて，通常条件，阻害条件，意欲低下条件でのかな漢字変換結果確認時間を比較し，統計的に十分な参加者数での結果を得る．さらに，令和3年度は，かな漢字変換結果が表示されるテキスト入力箇所から変換元の文章の表示箇所への視線移動を新たな指標として採用することによって，かな漢字変換結果確認時間分析における打鍵操作の個人差の影響軽減を試みる．
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