研究課題/領域番号 |
19H04158
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
脇田 航 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (80584094)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ロコモーションインタフェース / 歩行プラットフォーム / モーションプラットフォーム / バーチャルリアリティ / 体性感覚 / 前庭感覚 / 歩行感覚 / 臨場感 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ルームスケールを超えたVR体験を安全で低コストかつ高没入に実現可能なロコモーションプラットフォームとして,歩行プラットフォームおよびモーションプラットフォームに関する基盤技術を構築する方法を確立することである. 歩行プラットフォームについては,1) 大腿部が拘束された状態で全身の歩行動作を推定し,2) VR空間内の自分自身の分身となるアバターを操作可能にし,3) 推定した歩行動作から歩行距離や速度を高精度に推定可能にする. モーションプラットフォームについては,1) いかなる揺動状態においても伸縮速度170mm/sec以上の揺動速度を実現し,2) ロール方向とピッチ方向のみの揺動でどこまで慣性力や路面振動,風などの外力による効果を高臨場に呈示できるのかを明らかにし,3) ユーザの荷重のかけ方に応じてインタラクティブに揺動可能にする. 2020年度において,歩行装置に関しては,大腿部支持部を上側のセンサと下側のセンサをフラットな状態とし,大腿部の上がり具合を荷重バランスで推定することで装置の低コスト化を実現した.また,歩行動作推定のためのパラメータをユーザことに割り出すためのキャリブレーションコンテンツの開発を行った.モーションプラットフォームに関しては,Type1に関しては装置構造を改良することで,±25度の揺動角度を実現し,揺動加速度は±0.6Gを実現した.また,風の影響およびユーザの姿勢状態からモーションベースを制御可能にすることで,フライトコンテンツへの応用を図った.また,モーショントラッカーの揺動角度およびユーザの姿勢からモーションベースをインタラクティブに操作可能にすることで,バーチャルとリアル間でインタラクション可能な新たなコンテンツを作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 歩行プラットフォームに関しては,当初の目的である,1) 大腿部が拘束された状態で全身の歩行動作を推定し,2) VR空間内の自分自身の分身となるアバターを操作可能にし,3) 推定した歩行動作から歩行距離や速度を高精度に推定可能にする.の3項目中,2つ目まで実現できており,3番目の高精度化が課題として残されている.しかしながら,前年度においてプラットフォームの装置構造を改良,簡素化し,センサ感度が高まったことから,高精度化の評価に向けた段階にある. モーションプラットフォームに関しては,当初の目的である,1) いかなる揺動状態においても伸縮速度170mm/sec以上の揺動速度を実現し,2) ロール方向とピッチ方向のみの揺動でどこまで慣性力や路面振動,風などの外力による効果を高臨場に呈示できるのかを明らかにし,3) ユーザの荷重のかけ方に応じてインタラクティブに揺動可能にする.の3項目中,1,3項目は達成し,現在2項目の評価に取り組んでいる.本モーションプラットフォームは,構造上2タイプ考えられるが,Type1はType2よりも構造がシンプルで,揺動性能が高く,前年度において揺動角度±25度,揺動加速度±0.6Gを達成することが出来,路面振動や慣性力の高精度化の評価に向けた段階にある. 以上により,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
歩行プラットフォームに関しては,当初の目的で残された課題である,3) 推定した歩行動作から歩行距離や速度を高精度に推定可能にする.について,改良型の全方位型の実現とともに,どの程度高精度に呈示可能かどうかの評価に取り組む. モーションプラットフォームに関しては,当初の目的で残された課題である,2) ロール方向とピッチ方向のみの揺動でどこまで慣性力や路面振動,風などの外力による効果を高臨場に呈示できるのかを明らかにする.について,とくに路面振動等の高周波振動をどこまで高精度に呈示できるかについて取り組む. 以上のように,本年度は最終年度であるため,積極的に実証実験を行い,各種装置の高精度化および精度評価を図る。
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