研究課題/領域番号 |
19H04171
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
駒谷 和範 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40362579)
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研究分担者 |
武田 龍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20749527)
林 克彦 群馬大学, 情報学部, 准教授 (50725794)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 対話システム / 知識グラフ補完 / ドメイン知識獲得 / 未知概念 / 暗黙的確認 / 質問選択 |
研究実績の概要 |
本研究課題は,対話システムの知識に注目し,「話すほど自律的に賢くなる対話システム」の実現を目指している.具体的には,対話中に現れる未知語に関する知識を,ユーザとの自然な対話を通じて取得する.この際に,知識を獲得するための質問は,ユーザが対話を継続する意欲を削ぐことなく行われる必要がある.例えば,「フランス料理はタイ料理屋で食べられますか?」のような,明らかに間違いである内容をシステムが繰り返し確認すると,ユーザの意欲を削ぐ. 本年度は主に,知識を獲得するための質問の内容の選択に,知識グラフ補完の結果を導入する手法の実験を進めた.対象とする知識グラフから得られる質問の中から,「システムが持つ知識グラフの中では欠損しているが,ユーザの意欲を削ぐほど明らかな間違いではない」質問を選択するという問題を設定した.さらに知識グラフ全体を学習データとした知識グラフ補完の結果を,スコアに基づき選択して質問を作成し,クラウドソーシングにより印象評定を行った.この結果,上記2点の工夫は有効であることと,スコアに基づき質問を選択するという枠組みの妥当性を示した. さらに,暗黙的確認要求と明示的確認要求,またその正誤を含めた確認方法が,ユーザの印象に与える影響を評価した結果を取りまとめた.この成果が対話と談話に関する国際会議SIGDIAL2020に採択され,口頭発表を行った.また,コロナ禍のためオンラインで対話データHazumiの収集を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知識グラフ補完を用いた質問選択について,クラウドソーシングによりユーザスタディを含む検証実験を行い,国際会議IUI2021に投稿し,査読結果に対する論文修正や回答書作成も行った.また昨年度まで実施してきた結果を国際会議SIGDIAL2020において発表し,さらに前提となるデータとともにまとめたものを英文ジャーナルにも投稿した.
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今後の研究の推進方策 |
本年度得られた結果の成果発表を進める.具体的には,成果を取りまとめて投稿した英文ジャーナル原稿への対応を進める.音声を入力とした場合の未知語の認定やそれを用いた対話についても検討を進める.また,多様な知識を持つ対話システムの構築へと繋げるため,対象とする食べ物に関する知識グラフの増強についても検討する.
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