複眼で動画像を認識し空間計測に基づいてロボットを制御するビジュアルサーボ技術を水中ロボットに応用し、水中での自動充電を可能とする自動ドッキング(以下、嵌合)制御技術について研究を続けてきた。その結果深海底での継続的運用が可能なロボット作業の実現につながる自律水中ロボット(AUV: Autonomous Underwater Vehicle)の自動充電模擬実験(仮想充電ステーションとの嵌合を意味する)の実海域実証実験に成功した。さらに発光3次元マーカーを考案することで、深海底を模擬した漆黒光環境と海底泥舞上り条件下での実海域嵌合にも成功した。これにより、深海底で自動充電可能な実用的システムの構築と実海域での資源回収などのタスクを全自動で行う海底知能ロボットシステムの構築を目指す。本学が開発した実時間複眼3次元立体認識(3D-MoS: 3 Dimension Move on Sensing)計測装置を、同社所有の航行型水中ロボットに搭載し、自動嵌合実証実験を行った。2021年度は、研究室所有の水中ロボットにコンピュータ、カメラ2台、ネットワーク通信システムを搭載し、自律型水中ロボット(AUV)を作成し、AUV化に成功した。さらにAUVを用いたドッキング実験に成功した。このリアルタイム空間計測技術に関する研究成果を得て、2022年度はドッキングのための水中空間計測技術を泳ぐ魚の位置姿勢計測技術に応用し、魚の寸法計測技術について研究を進めた。泳ぐ魚の寸法計測は、魚の自動養殖技術の開発につながると共に、山間地の陸上養殖技術を発展させる基礎技術となった。さらにSDGsへの貢献も見込まれ、今後の発展が期待される。
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