研究実績の概要 |
遺伝子や分子のレベルからヒト全身を数理モデル化して,生理学的機能をコンピュータシミュレーションする技術が注目されている。全身代謝システムを血液,膵臓,肝臓,骨格筋,脂肪組織,心臓,胃腸,脳の8つの臓器に分解し,各臓器において,解糖系,糖新生,β酸化,グリコーゲン,脂肪酸,トリグリセリド合成を含む物質変換だけでなく, ATP, NADH, NADPH, GTP, FDHを含む補酵素が関わるエネルギー変換も数理モデル化した。臓器モデル間を血液中のグルコース,乳酸,アラニン,脂肪酸,トリグリセリドなどを介して結合する,338の反応,1132の動力学パラメータからなる,202の代謝物が時間変化する常微分方程式モデルを構築した。膵臓が放出するインスリンをレギュレータとして,食後、吸収後における各臓器の代謝流束分布や血液中代謝物濃度変化を正確に予測した。
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