研究課題/領域番号 |
19H04217
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
笹原 和俊 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (60415172)
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研究分担者 |
五十嵐 祐 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (90547837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エコーチェンバー / 計算社会科学 / ソーシャルメディア / 社会的分断 / 集団極性化 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、TwitterなどのSNSからソーシャルビッグデータを収集・分析して、社会的分断に関する事例を定量化し、情報環境の同質化と分離化 のメカニズムを探究した。特に、2020年の米国大統領選や新型コロナウイルスに関するSNSの投稿には、フェイクニュースも紛れ込み、エコー チェンバーの状況を一層複雑にしているため、取得したデータに元づき実態調査を行い、エコーチェンバーとの関連を調査した。その結果、政治的党派性の問題やBotによる選択的拡散が、エコーチェンバー化を加速する重要な要因として見えてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エコーチェンバーの実例として、2020年の米国大統領選や新型コロナウイルスに関するTwitterの大規模ソーシャルデータを分析し、どのような要因が分断軸となるのかに関する考察を深めた。どちらのケースも政治的党派性が関係していることや、Bot(アルゴリズムで制御された自動化されたアカウント)が不確実な情報や政治的に偏った情報を拡散し、それがエコーチェンバー化を促進している可能性がわかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ソーシャルデータ分析に知見を踏まえて、偽ニュースの拡散を調べるための実験系を構築し、アンケートと実験を組み合わせた調査を行う予定である。そのためのシステムの構築をさらに進め、まずは小規模な予備実験をおこなって実験デザインの妥当性を検証する。その後、大規模な実験をおこない、エコーチェンバー化を緩和するための原理の手がかりを得る。
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