「レビューベース共感的フィルタリング」に関しては、本年度は、ユーザレビューを利用した機械学習ベースの推薦モデルに関して、説明可能性の技術を利用して、ユーザにとって推薦結果に対して受容性を向上させる共感性が高い負荷的な情報を提供する手法の開発を行った。具体的には、書籍レビューに対するユーザのフィードバックからユーザの嗜好を抽出し、ユーザが共感できるフレーズを抽出する手法を開発し、クラウドソーシングを利用した評価実験により提案手法の有効性を示した。また、ユーザの既知アイテムに関する評価値を、そのアイテムに関して投稿されたレビューから大規模言語モデルを活用した自然言語処理に基づいた予測を行うことで、ユーザにとって共感できるフレーズを抽出する手法を開発した。さらに、地域の観光スポットに投稿されたレビューを活用して、大規模言語モデルを利用した自然言語処理により、ユーザが与えた任意の条件に適した観光スポットをランキングし、その理由を表すフレーズを提示する手法を開発した。 一方、「リプライベース共感的フィルタリング」に関しては、まず、前年度開発した、SNSユーザの埋め込み表現生成手法を活用し、対象ユーザにとって不快であるコメント(トキシックコメント)をフィルタリングする手法を開発し、クラウドソーシングを利用した被験者実験を利用して、提案手法の有効性を示した。また、SNS上で行われるユーザのリプライのテキスト情報を利用して、Sentence-BARTと呼ばれる文の類似性を予測する手法を利用して、対象ニュースの潜在的な関連性を可視化する手法を開発した。
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