研究課題/領域番号 |
19H04221
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
灘本 明代 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (30359103)
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研究分担者 |
熊本 忠彦 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (30358890)
鈴木 優 岐阜大学, 工学部, 特任准教授 (40388111)
大塚 真吾 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (70509736)
荒牧 英治 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (70401073)
若宮 翔子 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任助教 (60727220)
宮部 真衣 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 講師 (00613499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 行動促進ツイート / 災害 / 深層学習 / BERT / B-LSTM / LSTM / 情報抽出 |
研究実績の概要 |
2019年度は災害時ユーザに行動を促進しているツイートを行動促進ツイートとよび,この行動促進ツイートを取得する手法の提案を行った. 具体的には,災害時として,2018年西日本大雨,2018年北海道胆振地震,2019年台風15号(令和元年房総半島台風),熱中症を対象とし,ツイートを収拾した.そして,これらツイートから無作為に抽出したツイート(大雨4,000ツイート,地震10,000ツイート,台風10,000ツイート,熱中症10,000ツイート)をクラウドソーシングにより,行動促進ツイートであるかないかの機械学習のためのアノテーションを行った.そして,これらを用いて,ルールベース,SVM,LSTM,B-LSTM, BERT5種類の行動促進ツイートを抽出する手法の提案を行った.これら5つの提案手法の内どの手法が災害時行動促進ツイートを抽出するのに適した手法かを求める実験を行い,BERTが最も災害時行動促進ツイートを抽出することが可能であることがわかった.さらにBERTを用いて,台風の中でも大規模台風であった台風15号と2018年の台風(大規模台風の台風21号を除く)の行動促進ツイートを抽出し,これら行動促進ツイートの特徴の違いを求めた.その結果,大規模災害時では,被災地周辺の状況やそれに伴う注意喚起をしている行動促進ツイートや被災地の生活支援のための行動促進ツイート,投稿ユーザの経験から情報を伝えている行動促進ツイートのような役に立つ情報がおおく,これらを抽出し,提示する必要があることがわかり,次年度以降の新たな問題設定となった. 研究成果は,論文誌2本,査読付き国際会議4本,査読付き国内会議1本,査読なし国内会議4本である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メンバーと連携をよくとり,種々災害におけるデータ抽出,深層学習のためのアノテーション作業,行動促進ツイート抽出のための5種類の手法の提案及びそれらを対象とした実験等を行い,研究は概ね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の研究成果より,行動促進ツイートには経験に基づくもの,アドバイス,励まし,行動抑制,強い行動促進,弱い行動促進等さまざまな種類の行動促進があることがわかった.そこで,2020年度はこれらの結果も踏まえ,以下の項目について各メンバーと連携をとり,研究を進めてゆく. (1)行動促進情報の分類:実験により行動促進を分類し,これらを自動分類する手法の検討を行う. (2)行動促進情報の感情分類:行動促進には様々な感情が含まれている.そこで行動促進の感情軸を決定するとともに,その感情分類を自動で行う手法の検討を行う. (3)地域特有な行動促進情報の抽出手法:災害時はその地域のための行動促進情報が多くあり,これらは地域住民にとってとても重要な情報である.そのためこれら地域特有な行動促進情報を自動抽出する手法の検討を行う. (4) 行動促進情報からデマ情報の分析:行動促進情報には様々なデマ情報が含まれている.これらを抽出することを視野に入れ,現状の行動促進におけるデマ情報を手動で取得し分析を行う.
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