研究課題/領域番号 |
19H04222
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
杉本 雅則 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90280560)
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研究分担者 |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 実世界センシング / 学習支援環境 |
研究実績の概要 |
本年度は主に以下の項目について実施した 。 1.実証実験場所の選定と事前交渉の実施:実世界での学習の場として、博物館等を対象に、本申請の研究実施期間中の実証実験の可能性や実施時期等について調整を進めた。その際、本グループが別科研プロジェクトを通して協力関係にある科学系博物館を対象とした。複数の博物館候補を選定し、各候補の担当者と交渉を重ねた結果、国立科学博物館(東京)での予備実験の見通しが立った。研究者と博物館スタッフとの議論を通して、来館者の行動履歴を取得するための屋内位置認識システムの評価をまずは実施することで合意が得られた。さらに具体的な内容を昨年度末に詰める予定であったが、新型コロナウィルスの影響が現れ始め、現時点では詳細な実験計画を立てるまでには至っていない。
2.システム開発:博物館にて実装、展開するシステムの開発を進めた。既存施設の設備や装置を生かすため、少数のスピーカーで3次元測位が可能なスマートフォン向け音響3次元測位システム、既存照明装置を用いたスマートフォン向け可視光測位システムの実装を進めた。研究室等の予備実験では、誤差数cm ~40 cmの測位性能を実現しており、屋内での行動履歴取得には問題のないレベルであることを確認した。一方、多人数が同時に移動し、展示物等が不規則に配置された博物館は、より厳しい測位環境であることが予想されるため、さらなる性能向上の対策について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実証実験の選定に関し、ほぼ予定通りに進めることができた。システム開発に関しても、研究者と博物館スタッフとの議論を通して当初予定よりも機能を絞り込んで行う方が良いという結論に達したためその方針で開発を進め、ほぼ当初目標の性能レベルのシステム開発を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
実証実験に向けた計画の具体化や予備調査などを年度末に予定していたが、COVID-19の影響で実現できなかった。今後の事態の推移次第ではあるが、リカバリーは可能と現時点では考えている。
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