研究課題
本研究では、実世界での行動を常時取得することにより得られる大規模時空間データを用いた学習支援環境を構築することを目的とする。これは、離散的なスポットでのインタラクションを主な対象とするモバイルユビキタス学習(MUL)や、教室あるいはオンライン学習環境で得た大規模データを用いるラーニングアナリティクス(LA)などの従来研究では実現されていない。目的達成のためには、博物館での実証実験で得られる来館者の行動センシングデータが不可欠である。今年度はCOVID-19の影響により、研究計画を再構築して実施した。主な実績は以下の通りである。1.博物館での測位実験実施:兵庫県立「人と自然の博物館」に新たに協力要請を行った。打ち合わせを通して、2021年度の館内での実施許可を得るとともに、実施計画が確定させた。本研究が目指す学習支援環境構築のためには、来館者のトラッキング機能が必要となる。そこで、UWB(Ultra Wide Band)および音響信号を用いた測位システムの開発及びその現地での実験を実施した。評価実験を通して、測位性能の改善だけでなく(1)NLOS(non line of sight)環境下での性能低下とその解決手法 (2)音響信号以外の測位手法として可視光測位(VLP:visible light positioning)や歩行者慣性航法(PDR: Pedestrian Dead Reckoning)などの併用の検討と実装を進めた。2.当該技術に関する成果発表:上記の課題を解決する手法の開発、実装を行った。さらに、評価実験を通して明らかになった性能を踏まえ、実証実験に向けた検討を進めるとともに、その成果を学会論文誌等を通して公開した。
2: おおむね順調に進展している
COVID-19の影響により、達成できなかった計画を再構成して実施に臨んだが、今年度も引き続きCOVID-19の多大な影響を受け、協力機関での実証実験が困難な状況となった。これは想定される状況であったため、次善の研究計画により対応した。当初予定をすべて完了させることはできなかったが、次年度の計画に含めて実施することで、所定の研究成果を示すことができると考えている。
最終年度に向けて、研究成果の具体化、およびその公開に向けて計画的に進める予定である。特に、今年度に引き続き、論文誌での成果発表にさらに注力するとともに、COVID-19の状況に応じて国内外の学会発表を積極的に行う。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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