研究課題/領域番号 |
19H04228
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
苅田 知則 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40363189)
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研究分担者 |
柴田 論 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (10263956)
山本 智規 愛媛大学, 社会共創学部, 教授 (30380257)
穆 盛林 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (00709818)
樫木 暢子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (10635858)
中野 広輔 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60735330)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 遠隔操作ロボット / 遠隔学習支援システム / ユーザーアシスト機能 / 長期欠席児 / 視線入力装置 / 生理反応 / 3Dアバター |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、長期欠席児の過重負荷を軽減するユーザーアシスト機能を搭載し、長期欠席児と対話者の双方向にとっての臨場感を高める遠隔学習支援システムを開発し、その教育効果を科学的に評価することであった。本年度は、研究分担者が開発した遠隔学習システム(どこでも教室)の基盤技術を発展させ、ユーザーの負荷を軽減する新たなユーザーアシスト機能を3つ開発した。 1)遠隔学習システムの基盤技術であるWebカメラによる視線入力装置に生理反応をトリガーとする入力システムを追加することでユーザーの操作負荷を軽減するユーザーアシスト機能を開発した。具体的には、生理測定装置(MOCTOS)を用いて、筋電・眼電等を検出し、微細生理反応の発生を入力トリガーとして選択・決定の予測を行うロボット操作モードを実現した。 2)ユーザーの画面操作による認知的負荷と授業内容を理解する上での認知的負荷を軽減するユーザーアシスト機能を開発した。具体的には、教員の指差し動作を重要ポイントと認識させ、指先が示す地点を自動で拡大する機能と周辺視野にあたる映像部分を見えにくくする機能を開発した。 3)教員とユーザーの双方向にとっての臨場感を高めるユーザーアシスト機能を開発した。具体的には、ユーザーの表情をリアルタイムで認識し、その表情を反映した3Dアバターを遠隔操作ロボットのモニターに表示する機能を開発した。開発したユーザーアシスト機能の自然な人間らしさを検討する心理実験を行ったところ、視線方向の動きと顔の動きは協調した方が好ましく評価されることが明らかになった。また、1次遅れ要素を用いて視線方向を変化させた動きが対話者に人間らしい自然な動きと評価されることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に計画した開発研究を、全て順調に実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に開発したユーザーアシスト機能、及び遠隔学習支援システムに関して、2020年度は、性能の有用性や信頼性について検討する予定である。ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防を考慮に入れた研究推進が必要である。特に、長期欠席児を対象としたフィールド調査については、実施時期・方法等を慎重に検討する必要がある。
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