研究課題
大気中に存在するエアロゾル粒子は、太陽光を吸収もしくは散乱することにより、地球大気を加熱もしくは冷却し、気候変動に寄与するとともに、大気の光化学過程を変化させ、大気環境に影響を及ぼしている。特に東アジアなど大規模な排出源の近傍では、代表的な光吸収性粒子であるブラックカーボン(BC)粒子が大きな大気加熱効果を有すると考えられる。また、短波長可視から紫外領域に光吸収性を有する有機炭素であるブラウンカーボン(BrC)が存在し、放射収支や光化学反応に重要な寄与を及ぼしている可能性がある。本研究では、東アジアの大規模排出源の下流域における観測研究により、光吸収性エアロゾル粒子の排出源や生成源、輸送中の変質過程の変化が、エアロゾルの混合状態や化学成分、光学特性をどのように変化させるかを明らかにすることを目指した。長崎県内(離島を含む)および韓国の済州島において実施した小型計測器によるPM2.5重量濃度の多地点観測データを統計的に解析することで、越境大気汚染空気塊の輸送過程を明らかにした。また、長崎大学(長崎市)において、分光学的手法を用いたエアロゾルの光学特性やBC含有粒子の形態、各種微量気体成分の連続観測を実施し、被覆によるBCの光吸収性の増大やBrCの光吸収の寄与を評価した。さらに、季節毎にPM2.5のフィルター捕集を実施し、捕集した粒子の抽出液の光吸収スペクトルおよび化学成分の分析を行った。その結果、光吸収特性や光吸収性を有する化学成分の濃度および発生源の季節変動を明らかにすることができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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ぶんせき
巻: 575 ページ: 492-497
Remote Sensing
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10.3390/rs13163163