今後の研究の推進方策 |
R2年度はanammox反応の基質・中間生成物であるNH4+, NO2-, NO, NH2OHについて、15Nラベルされた物質を添加して培養を行う。令和元年度の結果から、添加する基質の濃度が物質動態に大きく影響する可能性が示唆されたため、リアクター環境を模した、極力低い濃度での試験を検討する。さらに、生成される N2に加え、NO2-, NO, NH2OHの濃度・同位体比の時系列変化を測定する。前年度に培養中の溶存無機態窒素のうちNH4+,NO2-, NO3-についてはサンプルの回収と測定が可能であることを確認した。そこで今年度はまず、NH2OHの濃度と同位体比のGC/MSによる測定システムの構築を行う。完了後はトレーサー添加培養を行い、複数のanammox反応経路の候補の中から、いずれの反応経路が支持されるのかを検証する。また、同じく種々の基質の添加条件下でメタトランスクリプトームとメタゲノム解析を行い、有意に発現する遺伝子の情報と物質代謝の情報との比較を行う。
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