研究課題/領域番号 |
19H04246
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
重光 雅仁 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 研究員 (20511695)
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研究分担者 |
横川 太一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 研究員 (00402751)
山本 彬友 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 特任研究員 (30794680)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | DIC固定微生物 / 従属栄養微生物 / 微生物群集 / 溶存有機物 / 全球ボックスモデル |
研究実績の概要 |
令和二年までに観測したDIC固定速度、従属栄養細菌活性速度、微生物群集、溶存有機物のデータ解析を実施するとともに、それらを統合するためモデル解析も実施した。 DIC固定速度と従属栄養細菌活性速度の観測結果から、太平洋においてはDIC固定速度が従属栄養細菌活性速度を上まわる測点が多くみられた。このことから、表層からの沈降粒子起源の有機物供給が少ない中深層において、DIC固定由来の有機物が従属栄養細菌の重要な炭素源となることを明らかにした。 またDIC固定と溶存有機物を同時に測定した観測結果から、海底から溶存有機物とアンモニウム塩等が供給されることによって、DIC固定速度が海底近傍で高くなることを明らかにした。 微生物群集をターゲットにした観測結果から、太平洋の亜寒帯域、亜熱帯域、南大洋セクションの中深層において、化学合成細菌(DIC固定、アンモニア酸化古細菌)と従属栄養細菌が特異的に共出現する細菌群集組成が遍在することを確認した。これらの群集が存在する環境では、従属栄養細菌による有機物分解と化学合成細菌によるアンモニア酸化が同所的に起きている可能性が高い。アンモニア酸化古細菌による有機炭素の取り込みはアンモニア酸化古細菌生物量の0.5-11%と低く、無機炭素由来の炭素が有機物合成に用いられていることがこれまでの知見により明らかになってきている。表層由来の有機物供給が少ない中深層において、アンモニア酸化古細菌が優占する特異的な細菌群集構造の遍在は、この環境で、有機物分解産物であるアンモニア、それを利用する化学合成細菌、それが合成した有機物の分解が循環する、有機物の内部循環が起きている可能性を示唆した。 化学合成細菌、従属栄養細菌、溶存有機物を陽に表現した全球のボックスモデル解析から、DIC固定速度の全球積算を算出し、温暖化に伴う水温上昇によってDIC固定速度が変化するかを調べた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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