バイオマスや化石燃料の燃焼に伴い生成する燃焼起源有機物 (PyOM) の大部分は、超難分解性成分であり、長期的な炭素循環を制御しうる。近年、地球表層における最大級の還元型炭素プールである海洋溶存有機物中にもPyOMが存在する事が示されたが、その動態は不明である。本研究では、太平洋全域における溶存PyOM分布を解析し、溶存PyOMは沈降粒子に吸着され除去される事を示し、その全球的な除去フラックスを0.040-0.085 Pg/yrと見積もった。この除去フラックスは、河川と大気から供給される溶存PyOMのフラックスよりも大きく、海洋には溶存PyOMのミッシングソースが存在する事を示唆した。
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