研究課題
昨年度から開始されたプロペンやイソプレン由来のRO2の取り込み係数測定を引き続き行った。プロペンやイソプレン由来のRO2の取り込み係数について、エアロゾル中に存在する還元性物質により増大することが新たに判明し、その影響の調査を追加で行った。これまで予想されていた大気エアロゾルへのRO2の取り込みが大きく過小評価されていた可能性を示唆する結果が得られた。同じくアルケンであるエチレンや,植物から出るテル ペン類由来のRO2、CH3O2およびC2H5O2などのアルカン由来のRO2について、取り込み係数測定のため、検出可能性の評価を行った。国立環境研究所のスモッグチャンバーを用いて、有機エアロゾルの中でも特にPM2.5の主成分である二次有機エアロゾルを作成し、RO2ラジカルの取り込み速度測定が行えるか予備実験を行い測定が可能であることを確認した。室内実験をすでに行っているプロペン由来のRO2に着目し、イソプレン同様に外気観測を2022年8月に茨城県つくば市において行っいデータ解析を進めている。本研究で得られたデータで解析が終了しているものを使い、統合しオキシダント・二次エアロゾル生成への潜在的インパクトの評価を行った。仮に,すべてのRO2が大気エアロゾルへのイソプレン由来RO2の取り込み係数と同じ平均値をもつと仮定すると比較的清浄な郊外において上限値として8.5%程度のオゾン生成抑制効果を持ちうることが示唆された。本研究課題で得られた結果により、大気環境学会より若手研究者を対象とした学会賞を受賞した。また、今年度は総説2件、論文4件を報告した。学会発表は国内7件、国際学会1件を行った。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)
大気環境学会誌
巻: 58 ページ: 1~9
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