1.室内の二酸化炭素濃度の上昇が認知機能に与える影響の評価 室内の空気中の二酸化炭素濃度を制御し、二酸化炭素濃度の上昇が認知機能に与える影響を評価した。ここでは、室内の二酸化炭素濃度の上限を1500ppm、2500ppmに設定し、二酸化炭素濃度が上限に達した後は、その濃度をほぼ一定値に制御した。認知機能の評価のために、実験参加者に対し、ストループ・カラーワード課題、および、内田クレペリン検査を実施した。加えて、認知機能の評価課題の実施中の心拍数、および、呼吸数を計測した。若年男性7名に対して実験を実施した。グループ平均については、認知機能の評価結果、および、心拍変動特性に有意差は見られなかった。二酸化炭素の暴露については、個人差が大きい可能性が示唆された。 2.生体センサを用いた眠気評価法の開発 眠気に関連した心拍変動指標の変化を分析し、眠気の評価が可能な心拍変動指標を検討した。 3.実世界労働環境の環境ストレス評価 工場などの労働環境において,温湿度などの環境因子と,心拍数,身体活動量などの生体情報を同時計測し,環境ストレスが生体に与える影響を評価する方法を開発した。ここでは、仕事による身体活動の影響を排除するために、加速度情報に基づき身体活動量を定量化し、心拍数、および、心拍変動の身体活動量依存性を評価した。
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