研究課題
アンモニア含有畜産廃棄物の持続可能な処理は環境創成学を基盤とする資源循環、再生可能エネルギー・バイオマス利活用など多くの分野に関わる課題であり、本研究は太陽光を活用した持続可能な畜産廃棄物の光触媒浄化及び光メタン発酵システムを開発するための研究基盤を確立することを目的として進めてきた。2019年度は太陽光利用できる本研究室で開発した新規光触媒材料を用いて、アンモニアガスの吸着・分解実験を行い、水熱合成で生成したP/Ag/Ag2O/Ag3PO4/TiO2 は最も優れたアンモニア吸着・分解効果が得られた。さらに、P/Ag/Ag2O/Ag3PO4/TiO2をCPE担体材料に付着し、アンモニア吸着・分解のデバイスを製作した。そのデバイスを用いてアンモニア条件においての脱臭試験を行い、アンモニアガスが窒素と水素に分解され、脱臭・無害化が可能であることを確認できた。また、P/Ag/Ag2O/Ag3PO4/TiO2とアンモニアの相互作用による活性種の同定による光触媒脱臭処理のメカニズムの解明を進めてきた。現在は以上の要素技術を統合した吸着・分解型光触媒脱臭システムの最適化を推進している。また、光照射型バイオリアクターを用いて、光照射によるメタン生成菌の活性化向上が確認された。さらに、太陽光利用できる光触媒を用いて、大腸菌など水環境における微生物の殺菌効果を検討し、通常材料より数百倍高い殺菌効果が得られ、システム処理水の循環利用と環境へ放出する前の浄化・殺菌の有効性が確認できた。この一年間の研究成果は国際誌7報登載、特許1件、国際学会6回、国内学会13回、うち招待講演2回の発表実績を得られた。関連成果は国際特許を申請し、また大学の産学連携を通して技術相談を行い、2社との共同研究を検討している。本業績は、当該分野のみならず、関連する環境、エネルギー、健康といった分野で、その発展に大きく寄与している。
1: 当初の計画以上に進展している
2019年度は太陽光利用できる本研究室で開発した新規光触媒材料を用いて、アンモニアガスの吸着・分解実験を行い、水熱合成で生成したP/Ag/Ag2O/Ag3PO4/TiO2 は最も優れたアンモニア吸着・分解効果が得られた。さらに、P/Ag/Ag2O/Ag3PO4/TiO2をCPE担体材料に付着し、アンモニア吸着・分解のデバイスを製作した。そのデバイスを用いてアンモニア条件においての脱臭試験を行い、アンモニアガスが窒素と水素に分解され、脱臭・無害化が可能であることを確認できた。また、P/Ag/Ag2O/Ag3PO4/TiO2とアンモニアの相互作用による活性種の同定による光触媒脱臭処理のメカニズムの解明を進めてきた。現在は以上の要素技術を統合した吸着・分解型光触媒脱臭システムの最適化を推進している。また、光照射型バイオリアクターを用いて、光照射によるメタン生成菌の活性化向上が確認された。さらに、太陽光利用できる光触媒を用いて、大腸菌など水環境における微生物の殺菌効果を検討し、通常材料より数百倍高い殺菌効果が得られ、システム処理水の循環利用と環境へ放出する前の浄化・殺菌の有効性が確認できた。この一年間の研究成果は国際誌7報登載、特許1件、国際学会6回、国内学会13回、うち招待講演2回の発表実績を得られた。関連成果は国際特許を申請し、また大学の産学連携を通して技術相談を行い、2社との共同研究を検討している。本業績は、当該分野のみならず、関連する環境、エネルギー、健康といった分野で、その発展に大きく寄与している。
2020年度は、①太陽光を光源とした光メタン発酵におけるの光照射強度と照射時間との関係はRSM評価モデルを使って解明する。また、畜産廃棄物処理に有効なアンモニア濃度範囲の確定、光メタン発酵リアクターのガス濃度、ガス生成量、pH、アンモニア性窒素の濃度変動、TOCの除去率、微生物の活性など各項目の検討を行い、高濃度アンモニア条件でのメタン発酵における光照射の最適条件を確立する。②光メタン発酵メカニズム解明するため、 光照射強度、波長範囲、照射時間の変化によるメタン菌に与える影響を検討する。また、微生物叢変化を解析し、ATPやメタン生成菌の持つ重要な補酵素F420量の測定による微生物活性変化を把握する。それぞれの関連要素を解析し、光刺激による微生物活性化のメカニズムの解明が期待できる。③昨年度の研究で確認できた太陽光利用できる高効率P/Ag/Ag2O/Ag3PO4/TiO2 光触媒を用いて、実の太陽光を追跡できる光触媒リアクターを作製し、処理システムに排出した廃水の浄化・殺菌検討を行い、太陽光利用できる環境浄化システムの構築・評価を行う。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
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