研究課題/領域番号 |
19H04311
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
粕谷 健一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (60301751)
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研究分担者 |
橘 熊野 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (60504024)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 海洋生分解性 / トリガー / 時限分解 |
研究実績の概要 |
分解開始時期制御に資する生分解トリガー創製と評価。バイオスティムレーション型の生分解性トリガーとして利用可能な化合物に関して、効果をスクリーニングし、分解性に与える影響を、メタゲノム解析を通して評価し、新たにいくつかの有望な物質を発見した。種々の脂肪族ポリエステルに対して、分解開始のバイオステュムラントとして機能する物質に関して、メタトランスクリプトーム解析により発現解析したところ、特定の酵素の発現が見られた。これらの物質は、基盤材料に分解微生物を集めることができると同時に、酵素発現させることもできることもわかった。
分解開始時期制御に資する生分解トリガーの仕組みの応用および開発。多糖への非生物学的トリガーであるジスフィルド結合導入し、実海域でのスイッチオンオフ試験を実施した。また、今回新たに開発に成功した樹脂は、実用に耐えうる機械的性質を有していた。
分解速度を制御するためのマイクロバイオームと材料との相関関係の解明。生分解性高分子は、1)分解酵素によって加水分解され、その後、2)分解物は微生物により無機化されることによりことにより分解が完了する。実環境中での分解速度制御を実現するために、この複雑系の相関関係を、Plastisphere-メタゲノムにより解明をめざした。ショッ トガンメタゲノム法により、種々の脂肪族ポリエステルおよび化合物D、 E、 Fとのブレンドにおいて分解が起こる際は、メタゲノムの構造と量に大きな変化が見られた。今回、メタトランスクリプトーム解析から、推定される分解酵素遺伝子を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた、時限海洋生分解性プラスチック材料の開発に成功した。また、実海洋での分解機構解明、およびその制御についても一部明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
プラスティスフィア構造について、様々なプラスチックについても詳細に検討する。また、分解を促進する基盤材料の物性を毀損しないバイオステュムラントの候補の絞り込みを行う。
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