研究課題
本課題では,生分解性高分子の実用性を高めるため,海洋環境において分解開始時期および分解速度が 完全に制御された 「時限生分解性高分子:TBP」創出を目指す。本研究課題では「潜在的生分解性高分子:PBP」を基盤材料として,分解開始時期制御トリガーシステムを利用し,材料の分解開始時期制御の実現を目指す。さらに材料の分解速度制御に関しては, 海洋環境中の生分解性高分子表面に形成されるバイオフィルム(Plastisphere)の菌叢構造と材料分解速度(これに関わるメタデータ)とを,統計解析することにより相関を見出す。最終的には,PBPに対して得られる基盤情報を反映させ,海洋環境で有機リサイクルを実現するTBPを創製することを目的に進められた。様々な海洋環境におけるPBP(潜在的生分解性高分子)のスクリーニングを行い、脂肪族ポリエステルがこれに相当することを見出した。これらのPBPに対して有効な,生物製剤トリガーを海洋より見出した。バイオスティムレーション型の生分解性トリガーとして利用可能な低分子化合物を見出すことができた。PBPへの非生物学的トリガーであるジスフィルド結合導入を行ったポリマーの生分解速を実海洋環境で評価した。生分解性高分子は,1)分解酵素によって加水分解され,その後, 2)分解物は微生物により無機化されることによりことにより分解が完了する。一方,実環境中ではこれら 1)および 2)は,材料近傍に形成されたバイオフィルムの中で,進行する複雑な過程であるが, 実環境中での分解速度制御を実現するために,この複雑系の相関関係を,Plastisphere-メタゲノム, およびメタトランスクリプトーム解析を通して明らかにした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Polymer Degradation and Stability
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https://sites.google.com/gunma-u.ac.jp/greenpolymergunmalab/home