研究課題/領域番号 |
19H04317
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
赤坂 宗光 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70446384)
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研究分担者 |
新田 将之 東洋大学, 理工学部, 助教 (00843781)
角谷 拓 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 室長 (40451843)
中島 正裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80436675)
曽我 昌史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80773415)
郭 威 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70745455)
内田 圭 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40747234)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生物多様性保全 |
研究実績の概要 |
昨年度予算で実施した全国アンケート調査結果に基づき、保全意欲の空間分布をモデル化した。これと併せて、オンライン大規模データを用いて、日本および世界の人々の生物多様性への関心の空間変動情報を整備・解析した。具体的には、Wikipedia閲覧数やGoogleエンジンの検索数データを使い、鳥類に対する関心の高さが、鳥類の生態的特性と社会要因(新聞等での報道数、象徴種としての利用の有無)により決ることを明らかにしたほか、生物種に対するWikipedia閲覧数が、哺乳類・鳥類では、別途アンケート調査により把握したその種に対する保全意欲の程度と相関するのに対して、両生・爬虫類、昆虫、植物では、相関関係が見られないことも明らかにした。さらに、2000か所以上の緑地リストをもとに緑地の地理情報化を実施とともに、緑地の管理者にアンケート調査を実施し、生物多様性の状態、生物多様性保全への取り組みの状況や体制などについて情報収集した。 地域スケールでは、小規模止水生態系においてため池の維持管理の実態を定量化し、ため池の植生の多様度の変化と維持管理作業の関係性を分析し、草刈の作業量(人時/年)が生息種数の変化量と相関を示すことを明らかにした。現地では草刈り作業を行う際に、繁茂しすぎた水草の除去や枯れ枝の撤去が行われていたため、こうした人為的攪乱がため池の植生の多様性の維持に寄与したことが推察された。更に、環境DNAによる水生昆虫相把握の有効性を検討するために公園池やため池を対象に季節や採水方法を変えてサンプリングも実施し、環境DNAで検出された種組成と直接観察調査の結果の関係を分析した。草原生態系では、無人航空機(UAV)を用いた開花植物の分布把握のための技術開発を行った。斜面での高精度な撮影のための技術的検討を進めたほか、UAV撮影画像の分析で検出しやすい植物の特徴を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の感染拡大により農村・山村地域での野外調査が困難となったことから、一部の研究の進め方を変更することとなった。これに伴い、一部の研究が遅滞することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の感染拡大を踏まえて、オンライン調査等に代替できる内容については、進め方を検討しつつ、本年度までに得られた知見に基づき、保全計画の在り方について研究をまとめる。
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