研究課題/領域番号 |
19H04319
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
松林 誠 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00321076)
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研究分担者 |
芝原 友幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, グループ長補佐 (00355207)
土田 さやか 中部大学, 応用生物学部, 講師 (40734687)
牛田 一成 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50183017)
笹井 和美 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70211935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 二ホンライチョウ / アイメリア / 寒冷地 / 寄生 / 進化 |
研究実績の概要 |
ニホンライチョウはキジ目キジ科に属する鳥類であり、絶滅危惧種に指定されている。ニホンライチョウは氷河期の遺存種であり、寒冷地でのみ生息し、国内では日本アルプスのみに存在する。これまでに同ライチョウは高率にアイメリアと呼ばれる原虫に感染していることが分かっている。アイメリア原虫は家畜等ではよく知られた寄生虫である。しかし、寒冷地でのみ生息するライチョウに寄生するアイメリア原虫について、生態や病態、共生および進化過程等は明らかにされていない。本年度、国内のキジ目キジ科の鳥類の糞便調査を広く実施した。その結果、ニホンキジからアイメリア原虫を検出した。このオーシストは形態的には海外で報告されているE. tetartooimiaに類似した。遺伝子解析を実施したところ、鶏(キジ目キジ科)に寄生するアイメリア原虫と近縁であることが分かった。北極圏を中心に世界には20種以上のライチョウ亜種が生息している。アイスランドとスバールバル諸島に生息するライチョウ亜種の糞便を調査した結果、いずれも形態的に2種類のアイメリア原虫が存在した。これら原虫はニホンライチョウから検出された2種 (E. uekii, E. raichoi)と類似した。遺伝子解析では、前者は3諸国で極めて近縁で同種と考えられた。後者では二ホンライチョウのみ別のクラスターを形成した。二ホンライチョウが北欧の亜種から糞口感染によりアイメリア原虫が伝播したとは考えにくく、いわゆるレフュジアで分化する以前に同原虫が存在した可能性が考えられた。鶏等の家畜はライチョウよりも後年に進化したと考えられるため、ライチョウに寄生するアイメリア原虫が直接または間接的に家畜に伝播し、進化した可能性も考えられた。しかし、同科に属する鳥類のアイメリア原虫の遺伝子情報が限られているため、今後、詳細な系統解析を実施するうえでもさらなる解析が必要である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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